音楽むすび | ウォー・アゲインスト・オール

ウォー・アゲインスト・オール

ウォー・アゲインスト・オール

あのアバスを輩出したノルウェーを代表するブラック・メタル・バンドの1つ、イモータルがニュー・アルバムをリリース!
もはやデモナスのソロ・プロジェクトと化しているが、サウンドの方は相変わらずのブリザード。速くて激しくてエピック。
暴虐の限りを尽くしたブラック・メタルを聴け!
【日本語解説書封入/歌詞対訳付き】

ノルウェーを代表するブラック・メタル・バンドの1つ、イモータルは、91 年にアバス(B, Vo)、デモナス(G)を中心に結成された。
殺人、放火が横行していた当時のノルウェジアン・ブラック・メタル・シーンにおいて、少々ユーモラスな雰囲気をまとっていたイモータルは異色の存在だったと言える。
そんな彼らは 92 年に『Diabolical Fullmoon Mysticism』でアルバム・デビュー。その後コンスタントにアルバムをリリースしていく。
とりわけ 99 年の『At the Heart of Winter』は、ブラック・メタル史上に残る名作として名高い作品である。
だが、順風満帆に見えていたイモータルであったが、03年に突如解散を発表。ファンを驚かせる。結局は 4年後の 07年に復活し、
09年には新作『All Shall Fall』をリリース。だが、その後「イモータル」の商標を巡って、メンバー内で法的争いが勃発。
バンドの顔とも言えるアバスが脱退してしまう。それでも残されたデモナスとホルグ(Dr)は、バンドの継続を決意。
18年には 2 人で『ノーザン・ケイオス・ゴッズ』を制作。アバス抜きでもイモータルは健在であることをアピールして見せた。
そんなイモータルが、5年ぶりにニュー・アルバムをリリースする。『ウォー・アゲインスト・オール』と題された本作。
クレジットを見てみると、何とホルグすらいなくなっており、ついにデモナスのソロ・プロジェクトと化している様子。
だが、心配はご無用。「ファースト・アルバムで確立したスタイルを続けていく。
つまり速くて、激しくて、エピックな Blashyrkh Metalだ!」とデモナスが豪語する通り、その中身はイモータル以外の何ものでもない。
ブリザードが吹き荒ぶ、厳しい極北の自然を音にしたような暴虐のブラック・メタルは健在。これこそノルウェーのブラック・メタル。
全エクストリーム・メタル・ファン必聴のアルバムだ!

【メンバー】
デモナス (ギター、ヴォーカル)
ケヴィン・クヴァル (ドラムス)
アルヴェ・イスダル (ベース、ギター)

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ノルウェー・ブラック・メタル界の重鎮イモータル、9年ぶりの新作『ノーザン・ケイオス・ゴッズ』をリリース! アバスがいなくなっても心配ご無用。イモータルはこれまで以上にイモータルだ。 ノルウェーのブラック・メタル界を代表するバンドの1つ、イモータル。彼らはブラック・メタルの顔であると同時に、 ブラック・メタルのアイデンティティを逆転することで成功を掴んだバンドと見ることもできる。 イモータルは91年、ベース・ヴォーカルのAbbath、そしてギターのDemonazを中心に結成された。 その母体となったのは、Old FuneralとAmputationというデス・メタル・バンド。 90年代初頭は、ノルウェーでブラック・メタルが大きなムーヴメントとなり、それまでデス・メタルをプレイしていたキッズたちが、 一斉に宗旨変えをした時期。イモータルも、そんなバンド群の1つであった。 デモと7"EPを発表後、新進気鋭のOsmose Productionsと契約。92年に『Diabolical Fullmoon Mysticism』でアルバム・デビューを果たす。 さらに『Pure Holocaust』(93年)の『Battles in the North』(95年)と順調にアルバム発表し、特にヨーロッパにおいて大きな人気を獲得していった。 彼らが多くのファンから支持を得た理由の一端を知りたければ、ぜひ「Grim and Frostbitten Kingdoms」や「Blashyrkh (Mighty Ravendark)」 (いずれも『Battles in the North』収録)あたりのPVを見てほしい。コープスペイント+ガニ股で演奏し、山の中を走り回る姿には、 思わず笑みがこぼれてしまうに違いない。イモータルは、「ブラック・メタル=怖い音楽」という固定観念を、見事にひっくり返したバンドなのだ。 結果、ブラック・メタルという閉鎖的な世界の門戸を、多くの人々に開放したのである!イモータルは、あの悪名高いインナーサークル全盛期に その活動を開始している。Abbathは故Euronymousに感化されブラック・メタルにハマり、またOld FuneralではBurzumのVarg Vikernesとも一緒に プレイをしていたほど。だが、彼らは犯罪行為に手を染めることはしないという、確固たる意志を持っていた。 「犯罪に手を染めないなんて、当たり前だろ!と思われるかもしれない。しかし当時のノルウェーは、「教会に火をつけてこそ一人前、 それができなければニセモノ」なんていう、常識では考えられないような価値観がまかり通る異世界だった。 それまでファンタジーでしかなかった悪魔やアンチ・キリストの世界を、教会を焼き払うことで現実のものとしていたのだ。 ブラック・メタルは本当に危険な音楽でなくてはいけない。それが当時のブラック・メタルのアイデンティティだったわけである。 そんなシーンのど真ん中にいながらにして、イモータルはそのアイデンティティを真っ向から否定。 悪魔を再びファンタジーの世界へと送り返す役割を担ったのだ。彼らのPVを見て、「あんなものはブラック・メタルではない!けしからん!」と 腹を立てたコアなファンもいたことだろう。だが、元来イーヴルであることとユーモラスであることは紙一重。 ブラック・メタルの元祖ヴェノムはそこをよく心得ていたからこそ、悪魔について歌うと同時に、決してユーモアの精神を忘れることはなかった。 イモータルは、EuronymousやBurzumらが「No Fun」と切り捨てた部分を復活させ、原点であるヴェノムへ立ち返ることで多くのファンの心をつかんだのである。 冒頭「イモータルはブラック・メタルのアイデンティティを逆転させた」と書いたが、ヴェノムこそがブラック・メタルの原点であるとするならば、 「イモータルこそ最も正統なブラック・メタルの継承者」ということになるだろう。 【メンバー】 デモナズ(ヴォーカル/ギター) ホルグ(ドラムス) ピーター・テクレン(セッション・ベース) 2018/07/06 発売

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