発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
クラシック音楽に馴染みのない方でも日曜の午後などにテラスで紅茶を飲みながら楽しめるCDである。バロックの名曲を中心とした選曲のセンスもよい。誠実な演奏も悪くないが、カテドラルの雰囲気を演出するためか残響が大きく、ムード音楽的色彩が強い。
たしか昨年『Annie』というアルバムを出したはずなので、不勉強ながら『First』なるタイトルの意味は不明なのだが、とにかく1年前と比べてかなり洗練された印象を受ける日本制作盤。ポップな曲が彼女の魅力を見事に引き出していて、これならブレイクも近そう。
奄美大島で“百年に一人の逸材”と言われるベテランうたしゃ(島唄唄い)のセカンド。切れのいい挨拶歌(1)から激しい踊り歌(11)まで、裏声を多用したハリのある歌唱を存分に味わわせてくれる。琉球のものより糸が細く、音が高いという三線の響きも聴きモノ。
カエターノ・ヴェローゾやトニーニョ・オルタらの佳曲を、アコースティック&クラブ・ミックスの両面攻撃で今風にアレンジした、プリズマチカなるボサ・ノヴァ・ユニットのファースト作。選曲はとっても良いが、歌の弱さがどうにも気にかかるところ。
女性ヴォーカル、スィレーニを中心に結成されたブラジリアン・ポップス・グループの2作目。アコースティックな楽器だけでなく、曲によっては打ち込みも用いている。今回はドラムン・ベースによる(12)が話題になるかも。クラブ系サウンド好きにもお薦め。
ベスト。いやぁ、「伊勢佐木町〜」をはじめ、「恍惚の〜」とか「眠られぬ夜の〜」とか「気まぐれ〜」とか、“ブルース”の目白押しですよ。「ブルー・ブルース」なんてのもある。こんな歌ばっか歌ってて本人はブルーになんないのかな。存在感はさすが。
奄美大島の北部に伝わる「笠利節」のウタシャ(歌い手)、当山ミツヨの歌声は“しまうた”を特別なものと思い込みがちのこちらの気持ちをほぐしていく。島で紬の機織りをしている歌のうまい主婦が、近所の人たちと“歌遊び”をしているかのようである。
結成20周年を迎えた日本の元祖パンクといえばザ・スタークラブ。タイトルどおり、元ジュンスカの森純太、黒夢の清春、バクチク、レピッシュと錚々たるゲストが参加しヒカゲを盛り立てている。でも、新リスナーのための系譜ぐらい添付してもよかったのでは。
フルートのようなシンプルな楽器を4本集めただけで、よくこれほど豊かな音楽世界が作れるものだと感心した。何よりもアンサンブル能力が素晴らしく、まるで4本のフルートを1人で吹いているかのようだ。今後もどんどんレパートリーを広げてほしい。
戦後50年以上の歳月が経過しても、世界中で不滅の人気を誇る名門グレン・ミラー楽団。このCDは、ラリー・オブライエン率いるミラー・オーケストラによる珠玉の名曲20曲を収録(90年と92年の録音)。高音質サウンドでその感動も倍増するはずだ。