発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
この時期、メジャー唯一のパンク・バンドとなっていたスタークラブ。ギターとドラムのメンバー・チェンジを経て、2年ぶりにリリースした本作は前作以上に歌を前面に出した仕上がりで、バラードも多い。ヴォーカルはノイズの一部と解釈していたヒカゲが、なぜ?
イギリスとドイツのテクノ系エンジニアがバクチクの代表曲を、原型をとどめないほど大胆にリミックスしたアンビエントな作品。深化するサウンドとサカグチ・ケンがアートワークを手がけた蓮井氏撮り下ろしの豪華写真集がイマジネーションをかきたてる。
1977年、80年に発売されたLPのCD化。これで超絶のサウンド・シーズ〜日本の音・再発見〜が完結する。「鬼太鼓座II」の(2)ではガムラン楽器を使用しており「鬼太鼓座III」の(2)はオーケストラとの共演。いずれも大太鼓中心のサウンドとちがって幅の広さを見せる。「鬼太鼓座II」の(1)は必聴。
イヴァン・リンスのプロデュース。10曲中7曲はリンスの曲とあって、ブラジル音楽集というよりリンス集といった色彩が濃厚の作品。5曲で両者のデュエットが楽しめる。しっとりとしたMPB。ドリイ・カイミのストリングス・アレンジも洒落ている。
パワフルなミクスチャー系の新人さんのシングル編集もの。一瞬、メロディが歌謡ポップになりつつも、とりあえず勢いでガーッと。おじさんにはしんどいスピード感ですが何かありそうな人たち。モンダイは歌詞っスかね。でもこの手の音楽には関係ないことか。
日本人4人から成るフォルクローレ・グループだが、いわゆる「コンドルは飛んでいく」的情緒のなぞり直しでないのは、(3)にたまの知久寿焼を迎えていることからも明らか。フォルクローレがはらむ“闇”に焦点を当てた演奏。ダークなニューエイジの趣きも。
漫才ブーム時に発表された山田邦子のギャグ満載の作品集。決して洗練されたギャグではないが、彼女の強烈なキャラクターには不変的な個性を感じさせる。またバックのサウンドが非常にファンキーで、ギャグ歌が違和感なく耳に入ってくるのも嬉しいところ。
モーニングショーなども賑わしていらっしゃる現・益田宏美さんのデビュー・アルバムの廉価再発。「ロマンス」「二重唱」という2連続ヒットを収録。当時の流行音楽であるディスコ・ミュージックとしてのフィリーサウンドの影響が編曲に強く出ている。
ボテボテしたドラムにのって「ディスコ・イン・ヒロミ!」なんつって、故糸居五郎のDJで始まる76年度作品。当時は画期的なアイデアだったのか? 当時のディスコ・ビートって(7)や(10)みたいなモノだったような気も。(10)は完成度の高いポップスだと思う。
中森明菜もカヴァーした名曲(1)を含むアルバム。岩崎嬢に関しては「歌の達者な元アイドル」という程度のイメージしか持ち合わせていない歌謡曲音痴の筆者だが、阿久悠が全面的に作詞した本盤の出来が悪くないことぐらいはわかる(と本人は思っている)。
国立音大のピアノ科の生徒になったとたんアニメの声優として有名になった彼女、実は初めからシンガー・ソング・ライターとして評価されたいと思っていた。本作ではプロデュースに迎えた吉田美奈子に挑戦、いい勝負をしている。
歌謡グループがカヴァー・ヒットさせたために、演歌ジャンルにくくられることも多いタイトル曲も元はフォークのヒット曲。ナイーヴで優しい世界観は当時の流行でした。素朴でストレートなサウンドとヴォーカルに、懐かしい雰囲気さえ感じてしまいます。
「ブンガワン・ソロ」の作曲者であるグサンが歌っている。インドネシアのランガム・クロンチョンの最初の曲と言われているものが、我々になじみ深いものだったとは。ワルジーナ、ヌニンらの歌唱に、ふっとハワイアンとの共通点を発見する方もいるはず。
ゲオルギエヴァはブルガリア出身の女流ヴァイオリニスト。18歳ながら本CDですでに4枚目のアルバムとなる。美形。線が細く聴こえそうだが、その実芯のあるしなやかな音質。ルクレール(1)など、彼女の清楚な美質が反映した秀演だ。
去年の“フォーク・ゲリラ”活動以来、様々な誹謗・中傷、それ以上の賛同を得てきた泉谷さんの新作。募金活動を「偽善だ、ばかやろう」と言える人間ならではの熱く痛い雄叫び集。この盤に対抗/理解できる人間になるのは、時間がかかるかもしれない。
全作詞に歌謡界の大御所・阿久悠を起用。“若いもんにゃ出せんだろう”的にR&Rサウンドの根幹を極めた結果、不純物ゼロのゴキゲン過ぎる一発が完成、といった理屈抜きの楽しさを感じる。それは本物にしかないステイ・ゴールドな味だ。