発売元 : 日本伝統文化振興財団
日本伝統文化振興財団の邦楽技能者オーディションに合格した田村彌笑の小唄集。お座敷での芸だけにつぶやくようにうたわれ、すっきりとした粋さが求められる江戸小唄の妙味を継承する彌笑には、若々しさが感じられていい。今日芸としての成長を望みたい。
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日本伝統文化振興財団沢井忠夫の長男である筝奏者が、タイトルどおり『OKOTO』(2006年)に続いて制作した2枚目のソロ・アルバム。邦楽の枠にとどまらない無限大のスタイルと、想像力が膨らむ、変化に富んだ楽曲が大きな特徴で、全体的に光と影、明と暗が感じられる一枚である。
邦楽合奏団の草分け的存在である宮城合奏団の代表的な委嘱作品8曲を収録。筝と尺八を独奏楽器とした協奏曲風の「春の海幻想」をはじめ、筝の華やかな響きを多層的に活かそうとするさまざまな試みが思いのほか新鮮で、興味をそそる。現在の筝曲やその可能性を知るのに格好の2枚組。
日本のクラシック黎明期(1900〜41年)に書かれたピアノ曲の数々。滝廉太郎の絶筆となった「憾」、スクリャービンに捧げられた3、4曲目、ドビュッシー風の11、13曲目など、注目されて然るべき佳作揃い。異文化のフォーマットで己の個性を表現しようと模索した先人たちの砕身の足跡だ。
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日本伝統文化振興財団欧米でも知られる箏奏者、深海さとみの作品で『秋風幻想』に続く“古典の真髄を新しい装いで現代に提示する”シリーズ第2弾。地唄・箏曲を代表する古典が今の時代を感じさせる装いで演奏され、繊細さとダイナミズムが融合した不思議な魅力を醸し出す。
夢玄は、古典長唄を基本に置きながら、新しい邦楽の魅力を追求する杵屋勝四郎、杵屋寿浩、望月太津三郎によるユニット。古事記に描かれた禁じられた恋の物語をテーマにした曲など、ギター、ドラムやシンセの演奏の交え、新たな邦楽世界を切り開いている。
サン・パロール=言葉のない歌、のタイトルどおり、ヴォカリーズ作品を集めた企画性豊かな一枚(「パストラーレ」のみ歌詞あり)。20世紀前半に書かれたものが多いが、ほのかな抒情と官能性をまとう曲が多いのは、生身の声の可能性を引き出したゆえか。小泉の伸びやかな歌唱も聴きもの。
邦楽研究家の山岡知博が、“近代箏曲の祖”と位置付ける、わが国初の学術博士の宮城道雄門下の生田流箏奏者・安藤政輝による『箏の世界』シリーズの第2弾。「御山獅子」など古典曲を集成、富山清琴、深海さとみらの三弦と響きを聴かせる。
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日本伝統文化振興財団箏の巨人・宮城道雄の代表的な作品が3枚のCDになって復刻。大正・昭和前期のSP音源が、最新の修復技術で蘇った。伝統音楽の世界にまったく新しい発想を持ち込んだ、宮城の演奏が実にクリアな音で聴ける。「春の海」や「水の変態」における曲づくりの才、「六段」(八橋検校)や「千鳥の曲」(二世吉沢検校)など先人のつくった曲に対する解釈の鋭さ、どれをとってもその鋭い感性に驚かされる。メリハリの利いた、それでいて自然に流れる演奏、プロデューサーとしての力量も並外れていたことを実感させる。
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日本伝統文化振興財団昭和から平成にかけての箏曲界の第一人者、初代米川敏子の名演集。昭和13年録音の貴重な初期音源も然ることながら、昭和58年の70歳とは思えぬ張りのある歌声や凛とした演奏に驚かされる。伝統に甘んじることなく生涯百数十曲の作曲を手掛けた先進性も凄い。★
箏曲の原点である八橋検校が創始し、歴代の検校たちによって創作されてきた箏組歌の数々。この箏組歌の演奏と研究の第一人者である山田流箏曲五代鳥居名美野が、箏音楽のなかでもとくに重要な楽曲として知られる組歌を取り上げた待望の第二集。
高野山に伝わる真言密教の教義についての問答が重ねられ、自心即仏の深旨に関する審判が下される。この過程でみられる論議の唱法が、琵琶や能楽に影響を与えたといわれる。それだけに二つの旋律が交錯する「明神講表白」などはダイナミックである。