1989年5月発売
イマジネイション通信イマジネイション通信
商業ペースにのる人ではないが、原マスミの詩と歌は80年代最大の収穫だ。彼のポジティブなフェティシズムの行き先を見届けたい。1982年当時、私は知らずにライナーに吉本隆明の文を引用したが、後に吉本ばななが原マスミのファンだときいた。
夢の4倍夢の4倍
「イマジネーション通信」に続く、1984年の作品。いきなり「部屋に帰ると君が死んでいた」というフレーズで始まる「海で暮らす」はあらゆる意味で衝撃。詩と音楽がここまでうまく融合した例も少ない。できることならこんなイメージで死にたい。
ポカラポカラ
ジャパン移籍第1弾の1983年の名作。ハードな言葉が危うい空気につつまれて風格さえ漂わせている。プロデュースは伊藤銀次。彼の仕事の中でも屈指の作品ということになるだろう。情緒に流されずいたずらにシニカルではない。冷徹な覚悟があるから強い。