音楽むすび | 1993年4月25日発売

ウーン、これは女(いや、男も?)を試すためのテストになりますな。これを聴いて何にも感じないようじゃ、感覚も心も鈍いに決まっている。センスだってイモっぽいぜ、きっと。喜怒哀楽、高貴と下賎、洗練と素朴が1台のピアノの中に同居する百面相。

在NY20余年、最近はプロデューサーとしても大活躍する増尾が、なんと恩師ナベサダと、若き日の僚友鈴木を招いて入念に作った“再会アルバム”。もう、聴き進めるほどにウキウキしてしまうほどの懐かしさと新鮮さ。音楽の楽しさが、正しく描かれた注目作。

ヘレン・メリルがジョージ・ガーシュウィンのナンバーを歌った79年のアルバムの初CD化。おなじみのメロディをしっとりと歌い、“ニューヨークの溜め息”ぶりがタップリと楽しめる。今は亡きメル・ルイス、ペッパー・アダムスのプレイも聴きものだ。