1993年5月21日発売
ハープのための協奏曲集ハープのための協奏曲集
いつもながら吉野直子の真摯でストレートな音楽作りは、とびきり美しい音色とともに気持ちがいい。20ビットのせいなのか、弦を弾く音と、低音の伸びがセクシー。そうした美点の足を引っ張っているのが、デリカシーの欠如した「ヴィルトゥオーゾ」たち。
アラベスクアラベスク
'67年生まれの吉田直子のデビュー盤。(3)(5)(8)(9)(12)がオリジナル曲、他は編曲もの。ハープはムード音楽と結びつきがちだが、実は多彩な音色、大きなダイナミズム、と幅広い表現の可能な楽器だ。演奏はめりはりのきちっとついた活きのいいもので、清々しい。
グレン・グールド・エディション<11> バッハ:インヴェンションとシンフォニアグレン・グールド・エディション<11> バッハ:インヴェンションとシンフォニア
いかにもグールドらしい奇抜なアイディアの上に、彼独特の即興性や詩情を加味した実に素晴らしいアルバム。曲順は慣用のものとは全く異なり、しかも2声と3声をそれぞれペアにして続けて演奏。有名なイ短調の2声などニコラーエワとは別の曲に聴こえる。
ベートーヴェン:リスト編:ピアノによるベートーヴェン:リスト編:ピアノによる
放送テープからのステレオでグールドの面白躍如だ。まず始めのAllegroはAndanteぐらいで田園のゆったりとした気分として結構いいではないか。だが次のAndanteの遅さにはついて行けない人もあろう。なんと20分、通常の倍の遅さだ。嵐は逆に全く速い。