音楽むすび | 1994年10月発売

某コーヒーメーカーのCFでお茶の間でもお馴染みの若手テノール錦織健の新録音。手際良く選曲されたオペレッタの名曲で彼のリリックな歌声が楽しめる。TVから流れて来る一寸気の毒な「誰も寝てはならぬ」よりはずっと壷にはまった立派な歌唱である。

76年から80年にかけてRCAに残した、ホロヴィッツのシューマン。高齢のせいか細部に少々荒さがあるものの、神経質なまでに研ぎすまされた感覚の冴え、ロマンティックな陰影の細やかさはこの人ならではのもの。抗いながら引き込まれる表現の強さがある。