1994年発売
ジャケットではマジメな顔して女装なんかしてますが、ブランキーの浅井健一氏は結構スゴイ詩人だと思う。リトル・フィートのメンバーやタワー・オブ・パワーが参加してるわりにグッとストイックな仕上がり。もう少しメロディに色気があればいいなぁ。
ノーノの作品が詳しい解説と訳詩付で出て大変素晴らしい。この国の音楽ファンがマーラー意外必要としていないとは思いたくない。政治的意味を強く持ち熱く生々しい音楽。ガルシア・ロルカの詩、様々な声、合唱、オケ、テープ。激しい抒情、メッセージ。
矢野顕子が、78年にニューヨークで完成させたアルバムの復刻CD。ロシア民謡やベートーベンを実に大胆にこなし、この人特有の個性を放っているが、ニューヨークの精鋭たちと軽々と共演し、しっかりと自分の世界を築き上げてしまう力量に目を見張る。
75年、ロフト・ジャズ華やかなりし頃にレコーディングされた、オリヴァー・レイクの3作目のリーダー作。ジョセフ・ボウイ、オル・ダラなどとともに、“ポスト・フリー”ともいうべきパワフルでフリーな音楽を展開している。その自由な感覚が素晴らしい。
(1)はセシル・テイラーも真っ青という狂暴きわまりないフリー・ジャズ。一方(2)のメドレーはがらりとムードが変わってゴスペル曲やストライド・ピアノも飛び出す伝統的な世界。どちらもバレルの素顔、ともに60年代のバレルを代表する名演として有名。
ジャズ史の片隅に取り残されてしまったようなトリヴァーだが、このアルバムを発表した当時はまさに昇り調子にあった。ポスト・フリー的なサウンドの中でクリエイティヴなソロを繰り広げる彼のスタイルが、もっとも良好な形で記録された名作の1枚。
ジャズ・シンガーがコンテンポラリーな音楽にチャレンジするのは今や常識だか、78年録音のこのアルバムはその先駆けである。しかも作曲者を何人もフィーチュアした上で、最高のオーケストラをつけるという、今じゃ夢のような豪華な2枚組。
オーネット・コールマンとの共演で知られるチャールズ・モフェットをリーダーに、その息子4人と娘が参加した文字通り一家総出演の作品。曲は各人の持ち寄り。雑然とした内容ながら、どこかオーネット的な肌触りを感じさせるところは父親の影響力大。
「ウェイヴ」の心地いいリズムの“波”に乗って始まったステージが同じテーマ曲で閉じるまで、軽妙なおしゃべりをはさみながら進んでいくのが目に見えるようだ。コインシャベベギギン…とスキャットで始まる曲等。オハコの「アニタのブルース」は絶品。