1995年5月25日発売
初来日に合わせて発売されたミニ・アルバム。タイトル曲は日本デビュー作からの2ndシングルでインナー・サークルが参加したレゲエ調のナンバー。この他ヒット曲「スウィート・ラヴ」のリミックスなどを収録しているが、それほど斬新じゃないのが残念。
サントラなどでごく一部が紹介されていた全曲カヴァーといういわば“企画物”。かつて全篇こてこてのカントリー・アルバムを作った人だけに今さら驚きはしないが、ブルースからバカラックまで、多岐に広がる選曲と、つむじ曲がりなアレンジにこの人らしさが。
8年ぶりのアルバム。ブラック・コンテンポラリー方面からジャズ界までシーンを横切るリッチな人集めをみても一目瞭然。とんでもなく時間とお金がかかってるだろうなー、って溜め息が出てくるような内容に見事仕上がっている。問答無用、溌刺意気弾む。
本人監修ってふれこみである。非有名曲ばかしだからねえ…。とは言え、ジェリービーン、ラテン・ラスカルズなど売れっ子ミキサー陣を揃えてのリミックスには、『ラ・イスラ・ボニータ』以上のラテン風味もあり、姐さんのストリートな出自がのぞく。
シャガれたヴォーカル。どこかつき離したポーズを見せるもユーマニックな味わいの歌を聴かせるトム。本作はそんな彼が77年に発表した作品。(3)では、ベット・ミドラーとデュエット、大人の恋を演じるなど、はにかみながらもさまざまな愛が展開していく。
最近では、俳優として映画界でも癖の強い個性を発揮しているトム・ウェイツが、78年に発表した作品のCD化。ミュージカル『ウエスト・サイド物語』からのバラードで始まり、例によって、潰したような歌声で、独特のセンチメンタリズムを放っていく。
ジェリー・イエスターのプロデュースによる73年のデビュー盤。イーグルスでもおなじみの名曲(1)をはじめ、やや過剰に感傷的な歌をオーヴァーアクト気味に演じる若きウェイツの処女作。いま聴くと、老成した演技の中に潜む若者らしい甘さがチャーミングだ。
80年発表の7作目のアルバムで、いつものしゃがれた歌声がリラックスした雰囲気をかもし出していた。ハモンド・オルガンとエレクトリック・ギターを軸にしたシンプルなバンド・サウンドとライヴ感覚のアルバム構成とがその感を一段と強くしている。