1995年5月発売
純東ドイツ産の「幻想」。全体に普段あまりきけないユニークな表現がみられる。1楽章の序奏の遅さ、4楽章の変ったフレージング、そして真骨頂は除夜の鐘のような大きな鐘!色々な「幻想」を聴きたい人には必聴だ。ブラスのズ太い音塊も面白い。
ケーゲルのストラヴィンスキー第3弾。1949年改訂版(声楽を除いた版)による(1)では室内楽に近い小編成の書法をうまく生かして絶妙のアンサンブルを聴かせており、中国を舞台にした同名オペラに基づく(2)では独特の異国情緒が色彩豊かに表現されている。
(1)は新古典時代の舞踊組曲で、踊り手がトランプカードになって勝負する。(2)(3)は子供のため(?)の連弾曲の編曲。(4)は室内オケ曲。ケーゲルはストラヴィンスキーの無駄のないけれど豊かなスコアをじつにきびきびとクリアーに再現し、とても70歳とは思えない。
ストラヴィンスキーのピアノ曲を集めたアルバム。シャープで強靱なタッチと現代的なセンスに貫かれたレーゼルのピアノは、こうした作品にはぴったり。今は亡きケーゲルの「カプリツィオ」における引き締まった指揮ぶりも魅力的だ。
スウィーツ・エディソン、ベニー・グリーン、トミー・フラナガンなど名人揃いの60年録音。スウィング系のジョーだが、ひょいひょいとモダンになってしまうところはさすが。個性派がそれぞれ持ち味を出し切っているので安心して聴いていればよいだけ。
ピアニストのウィギンスが全編オルガンを弾いている非常に珍しい作品。サックス〜オルガン〜ドラムスという編成から連想するアーシーなジャズではなく、すっきり整然とした演奏。たとえオルガンを弾いてもウィギンスのあの洗練された味は変わらない。
ランバート、ヘンドリックス&ロスの紅一点として知られるこの人、しかしソロとなると“ジャズ”というよりは英国ポピュラー・ヴォーカルの実力派として聴いたほうがしっくりくるかも。エルヴィス・コステロにも影響を与えただろう、篤実な解釈が面白い。
ティンパニらしき大径ドラムが厳かに響くオープニングから、このショーの主人公がいかに大物かが解るライヴ。TVやミュージカル出演で磨き上げた力量はアメリカ全土にアピール、ジャズを超えた幅広いビジョンが魅力的だ。美形シンガーの一つの金字塔。