1995年5月発売
タートルズ・ドリームタートルズ・ドリーム
制作・出演
アビー・リンカーン / クリスチャン・マクブライド / ケニー・バロン / ジュリアン・ルロ / パット・メセニー / ラッキー・ピーターソン / ロイ・ハーグローヴ / ロドニー・ケンドリック発売元
ユニバーサルミュージックジャンルを越えた実力派ヴォーカリストとして円熟の境地に達した感のあるアビー・リンカーンの新作は、メセニー以下、豪華な顔ぶれで構成された意欲溢れる内容となった。魂を振り絞るように歌う彼女の姿には、ビリー・ホリデイを思わせる気迫がある。
ヒンデミット:「画家マチス」ヒンデミット:「画家マチス」
2曲共にヒンデミットが新古典主義的な作風になってからの作品。しかしストラヴィンスキーのようにクールなものではない。モダンだが親しみやすく濃密によく歌う。ナチス政権下のドイツの空気なのだろうか。指揮者が曲を完全に手中にした安定した演奏。
「世界の調和」ヒンデミット「世界の調和」ヒンデミット
ヒンデミット晩年の交響曲2曲が聴ける稀少なCD。氏のアンサンブル作品は、その楽器用法の巧みさと音色の面白さにおいて、新古典主義時代のストラヴィンスキーに匹敵する。この2作もその例に漏れない。大衆性は今イチだが、もっと聴かれてよい。
ベルリオーズ:幻想交響曲ベルリオーズ:幻想交響曲
純東ドイツ産の「幻想」。全体に普段あまりきけないユニークな表現がみられる。1楽章の序奏の遅さ、4楽章の変ったフレージング、そして真骨頂は除夜の鐘のような大きな鐘!色々な「幻想」を聴きたい人には必聴だ。ブラスのズ太い音塊も面白い。
バレエ組曲「プルチネルラ」ストラヴィンスバレエ組曲「プルチネルラ」ストラヴィンス
ケーゲルのストラヴィンスキー第3弾。1949年改訂版(声楽を除いた版)による(1)では室内楽に近い小編成の書法をうまく生かして絶妙のアンサンブルを聴かせており、中国を舞台にした同名オペラに基づく(2)では独特の異国情緒が色彩豊かに表現されている。