1996年12月発売
カレッジのジャズ・ヒーロー、ブルーベック・カルテット。一時代を築き、実が熟れ、デスモンド脱退を迎える3年前の欧州録音。録音バランスをみると私家録音だろう。珍しく荒さがある演奏だが、それだけに力強いプレイがきける。デスモンドの甘美なこと!
徹底した職人芸というのは、個性だの芸術だのに名を借りた、妙に主観的な思い入れがない。だからオッと耳をそば立てるものがない代わりに、時を経てもあまり風化しないようなしたたかさを持っている。コンヴィチュニーのやり方が正にこれ。ガクタイの親方としてやるべき事をキチンとやって、余分な事は一切言わない。たとえシューマンだって、甘い誘惑なんかに負けないで、ロマンが何たらかんたらという軟弱夢心地路線には走らない。それがオケの古雅な響きとマッチして、何とも剛健な世界を描いていく。
96年5月、惜しくも他界した人気テナー奏者のバルネが、最後に残した3枚のリーダー作を集大成した追悼盤。既発のアルバムと違って未発表OK別テイクを含め録音演奏順に収録。究極のバルネ・ファンにはこの上ないプレゼントといっていい3枚組だ。
14年くらい前に牛丼屋でバイトしていた時、いつも有線でかかっていたヘンな歌は[1](7)だったのか。これは『STOP JAP』と『虫』をカップリングしたベストもの。[1](16)〜(18)はCD初収録。笑える歌詞が秀逸。でも「大ヴォリュームで聴け」という但し書きは蛇足。
ヒカゲ率いるスタークラブが、徳間ジャパン在籍時にリリースした2枚のアルバムを完全収録。さらに[1](14)(15)、[2](14)(15)をCD初収録と、コアなパンクスはもちろん、入門にも最適な1枚。ヒカゲのダミ声の若さに時の流れを感じる。
去年シングルを立て続けにリリースした男女ふたりのユニット、ガール・ミーツ・ラヴの1st。基本はテクノで、そこにさまざまな音楽的要素が絡む、ハイパーでポップな音楽性を持っているのだが、この手のユニットにありがちな安っぽさが全然ないところがいい。