1996年3月1日発売
上方艶笑落語集湯屋番/堀越村のお玉牛上方艶笑落語集湯屋番/堀越村のお玉牛
84年収録の「うれしカルカル」仁鶴とタイガース命、春蝶はんの艶噺。艶噺といってもギラギラしたものはなく、どちらもじっくり聞かせる。とりわけ春蝶さんの名調子が懐かしい。解説が初回のままで「春蝶さんは健康に気を遣い云々」の記述がいささか悲しい。
上方艶笑落語集 坊主茶屋/お吉物語上方艶笑落語集 坊主茶屋/お吉物語
創作落語の旗手の一人として知られるが、古典を演らせても非凡なところを見せる。アバウトに演じているようだが、その実、キッチリと計算された運びで、並ではない実力が感じられる。上方落語界の中堅として、着実に成長していることを証明する1枚と言える。
上方艶笑落語集初天神 びっくり解体新書上方艶笑落語集初天神 びっくり解体新書
「乳頭の色は?」鶴光と仁鶴の一番弟子、仁智の上方艶笑落語。鶴光の「初天神」は庶民の生活描写が細やか。仁智の「びっくり解体新書」は身体の各パーツが語り出すというシュールな創作落語。味わいの深さでは圧倒的に鶴光が上。鶴光は84年、仁智は86年の収録。
上方艶笑落語集親子茶屋 疝気の虫上方艶笑落語集親子茶屋 疝気の虫
師弟競演の1枚。大看板・春団治は藝人としての育ちのよさを感じさせる色気が何とも言えない。「親子茶屋」で茶屋噺の面白さをタップリと味わえる。福団治の「疝気の虫」は元々上方噺だが、最近は東京の方が演じ手が多い。間のよさは今後を大いに期待させる。
上方艶笑落語集紙入れ間男/尻餅上方艶笑落語集紙入れ間男/尻餅
四代目・林家染丸の染二時代の高座(84年、86年)を収録している。上方ならではの下世話なエロティカルな噺である「尻餅」、枕が10分近くもある「紙入れ間男」といいスピード感のある才気のたった若々しいこの10年前の噺には、やはり可能性がいっぱい。