1996年6月21日発売
ラヴェル:夜のガスパールラヴェル:夜のガスパール
「ピアノの女王」ラローチャが初来日を果たした2年後の録音。音質には古さが感じられるが、彼女の持ち前のシャープなリズム感が(1)や(3)の「スカルボ」で強烈な印象を刻みつけ、また全体に、デリケートで味わい深い表現に彩られた、美しい作りである。
ショパン:ドリーブ〜バレエ名曲集ショパン:ドリーブ〜バレエ名曲集
いわゆるオーマンディ・サウンドは、メロディアスな名曲にこそ効能が現れる。甘美なショパン(ダグラス編曲)、優雅なドリーブ、それぞれの旨味を熟知した歌いまわしで魅了する。よく鳴るオケも魅力のひとつ。オーマンディ絶頂期の名演といえる1枚だ。
バッハ:ゴールドベルク変奏曲バッハ:ゴールドベルク変奏曲
ローゼンは、27年生まれのアメリカのピアニスト。しっかりした構成の中に、自由な即興性をもたせたピアニスティックな演奏だ。時代が要請する演奏スタイルがあるが、67年だと作曲当時の演奏習慣や楽器のことなど、もっとずっと朗らかだったのだろう。
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第32、25、28、24番モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第32、25、28、24番
クリーヴランドのシェフが伴奏をし、当時のコンマスが独奏。演奏は、最近の古楽器を先取りしたようなパリッと乾燥した明るく躍動的なもので、かなりいい。セルのピアノも指揮と同じように音の粒をハッキリと奏し、その技術は本職並である。
アプリシエーションアプリシエーション
この人は“ちゃんとした”(ポップス系のアレンジを施していない)クラシックのCDを出さないのだろうか、とずっと思っていたら、10年目にやっと出ました。とても爽やかで透明な音楽。それが彼女の大きな魅力だけど、やっぱりちょっと物足りない。
柳家小三治 9柳家小三治 9
小三治の啖呵はときどきこわい。こわいけれどもどこか頼もしいから絶品なのだ。与太郎のふにゃふにゃでもときどき気がきいている風情は小三治ならでは。泥棒ものの「転宅」は少々めずらしい。さすがの年季女にやられる男心はほほえましいイイ噺。