1996年8月20日発売
おきゃんだったお嬢さんが、ふと気がつけば“ウーマン・イン・レッド”に。その心意気やよし、だよね。声質でどうしてもかわいらしくなっちゃう、そのへんを心底好きらしいポップ・ファンク路線とどう折り合いつけるか。がんばったね。
ここ数年続いて、ロサンゼルスで、公私ともにパートナーとなったジェイムス・ステューダーなど現地のミュージシャンに囲まれて完成してある。ロサンゼルス産ポップスの影響を彼女なりに消化、肉付けして、独自のポップスを完成した観ありの力作。
ライヴ・アルバム。バックは、公私ともに彼女のパートナーのジェイムス・ステューダーを中心に、ロサンゼルスからのミュージシャンたちで固めている。手堅い演奏に支えられ、独自のポップスを築く過程のドキュメントとしての側面も楽しめる。
例によって、ロサンゼルスで現地のミュージシャンを使ってのレコーディングだが、それが強調されて、この人の歌が身につけてきた女性としての視線やシンガーとしての技量が見逃される傾向にあるのが惜しい。女性ヴォーカルものとしては秀作の1枚なのに。
2年ぶりのアルバムは、やはりミュージシャンであるダンナ様との共同プロデュースで、ロス在住のため、曲作りも含めてすべてロスで行なわれた。女として、妻として、母として、そして人間として彼女の日々から生まれた作品が、ごく素直に歌われている。
役者としての活動の方が目立ったころもあったが、やっぱりこの人は根っからのロック・シンガーだ。このアルバムでも重心の低いバンド・サウンドをバックに、天性のバネのある歌をたっぷり披露。楽曲はややバラツキが目立つが、(1)は彼の魅力を十二分に伝えてくれる。
全曲、阿久悠の作詞になる約3年ぶりの新譜。「セクシャル・バイオレット…」は今は昔。ゴンタな桑名のぼんぼんも、今じゃすっかりイイ大人。アダルトやのぅ。阿久悠の世界をオッサン臭いと思うオレはまだ青尻小僧なのか!? ま、ちょっと渋すぎるかな。
ほんのちょっぴりながら、絶頂期だった70年代の匂いが復活した本作。歌のうまい奴ァ歌詞にもたれかからないからやっぱりええのォ〜という、この人にしてみれば実は当然、なレベルはクリアーされている。かと言って詞の安直には、さすがにすごいものがあるが…。
ジャケットがモロにデイヴ・リー・ロスしている元レッド・ウォーリアーズのヴォーカリスト、田所豊のソロデビュー作。いかんせん日本人、ダイアモンド・デイヴというよりはツイスト・世良正則。ワディ・ワクテルなんて渋ドコロも参加してるロス録音盤。
コンスタントなレコーディング活動、そして地道なライヴとアーティストの基本を守る彼。本作は、そんな彼の成果が如実に表われたアルバムだと思う。アグレッシヴなビートをきかせたR&Rとメロディを実に巧みに使いこなす。説得力溢れるヴォーカルも見事。