1996年9月20日発売
TBSラジオ系で放送されたラジオドラマのCD化、第4弾。原作者CLAMP自らが脚本を手掛けているだけあって、ファンの満足度は120%であろう。実力派の声優陣の演技も聴き応え十分。また、溝口肇と菅野よう子のBGMが作品に深みと彩りを添えている。
ホールにこだまする残響をそのままとらえたオケの響きに一瞬たじろぐ。演奏のリアリティからいえば最高だが、ディテールのクリアな録音演奏に慣れた耳には、ちょっと距離を感ずるはず。しかし響きは美しい。解釈も毒々しくなく、スッキリと端正だ。
日本のTV-CFにも登場したニュージャージー出身のアカペラ・コーラス・グループ、14カラット・ソウルが、ディズニー映画のテーマ曲に挑戦。歌うことが大好きでしょうがない陽気な彼らの幸福感あふれるコーラスと、ディズニーのイメージが見事にマッチしている。
そろそろ風格もつきはじめた働き盛りの中堅といった感のあるフミヤの、さらにそんな印象を残すような、王道のラヴ・ソング・ポップス。ビートに乗ってロックンロールというよりも、メロディアスな旋律をしっとり歌う感じの曲が多い。
かつての時をかける少女もここまで成長しました。声の質に色が出てきた。息のつなぎ方に女らしさが出てきた。よくある「女優様のレコード」にとどまらない自由さとこだわりがしっかり見える点にも感服。ただし、少し年齢以上のことやってる気もする。
知世も、もう23歳。すっかりオ・ト・ナ(ハート) まぁ、ずっと「時をかける少女」でいてくれよというのも無茶な話。サザンの大森隆志と透影月奈(誰だ!?)の共同プロデュースでそこそこノーブル。浮世離れの度合が中途半端だ。フレンチ趣味の(6)はまずまず。
女優としてのイメージが強いので、シンガーとしては影が薄くなりがちだが、とても興味深い路線を歩んでいる人だ。スザンヌ・ヴェガの曲を取り上げたり、アンテナに曲を提供してもらったりもそうだが、独特の色彩感を放つ世界を築きあげつつある。