1997年12月発売
オレは『らくごのご』を観る時はいつもざこばを応援してる。あのギリギリで踏んばる苦しみ方がいいもん。鶴瓶はだいたい最初から逃げに入ってるからなあ。この2編からもそんな彼のウソのない魅力が伝わってきます。しかし、ざこばっていい名前だよな。
南光のしゃがれ声と河内訛りが生き生きとした「はてなの茶碗」での油屋の口調が、誰にもありそうな際限のない欲深さを面白く出している。「青菜」での大家の旦那と植木屋のやり取りが絶妙。女房の顔を思い出しただけで汗が出る長屋の夏の暑さが見える。
ジャケのツーショットも話題の新譜。彼女司会の深夜番組でのコムロとの対談は、30cmの距離が何億光年にも感じられるブットビなパラレル・ワールドだった。このアルバムも聴き手と凄く近いようでいて、実はとんでもなく遠いシロモノ。恐ろしい。
カヴァー集だった前作ではストーンズの曲を披露。カントリーがロックンロールへと変貌する瞬間のスリルを証明していた男である。ライヴが悪かろうはずがない。うま過ぎないところも、この世界の歌手にありがちなマンネリズム打破に一役買っているのでは。
広い人気は獲得しなかったものの、アメリカン・バンドとしての“粋”はあったナ、と。サンフランシスコをベースにしていた通受けバンドの、サイアー時代(70年中期〜後期)のソースをまとめたベスト盤。シスコのNRBQと言いたくなる妙味にニコリ。★
パワー・ポップの新しい波にのってか、そのオリジネイターとして支持の厚い米西海岸バンドの78年の作品の初CD化。バーズからビートルズ、クリフ・リチャードまでのカヴァーを交えながら、溌剌と歌い、演奏している。デイヴ・エドモンズのプロデュース。
世の中には日の目を見ずに埋もれていくバンドも多いけれど、それもひとつの生き方だったりして……。で、本作はサンフランシスコ出身ではあるがイギリスで評価されたフレイミン・グルーヴィーズの79年発表の6作目、世界初CD化作品。元祖パワー・ポップ!?