1997年3月発売
女性ヴォーカルをフィーチャーしたハノーヴァーの3人組ダンス・ユニットのヨーロッパでヒット中のポップ・ナンバーは、スウィートなメロディを持つ典型的な70年代的なダンス・チューン。フィリー・ソウル的なストリングを効かした(1)(5)の甘さがグッド。
デュッセルドルフから出現した3人組のデビュー盤。ネオ・アコ、アシッド・ジャズ系の曲にソウルフルな女性ヴォーカルという組み合わせだが、ワザとロウ・ファイなサウンドが90年代風。ビートがハネても適度に重さが残るのはドイツの風土か。
元ファミリー・スタンドの紅一点シンガーが満を持して放った初ソロ。ソウル・ルネッサンス・ムーヴメントの流れを汲む中、“ディーヴァ”の呼称にふさわしい、先鋭的なスピリットがソウルフルに息づく個性的な歌を聴かせる。いい曲揃い。チェックあれ!
スーパー・グループ、ジェネシスの大親分フィル・コリンズが自らプロデュースして唄っているうわさのベスト・セラー。モータウン・サウンドの導入や弦を使ったスケールの大きいアレンジなど彼ならではのポリシーが聴ける。
ジェネシス解散の後プロデュースの仕事で大活躍のフィル・コリンズが自分のアルバムを出した。10数年前にヒットしたザ・シュープリームズの「恋はあせらず」もフィルの手にかかると全く新しいものになってしまう。
「恋はあせらず」「見つめて欲しい」そして今年に入ってからは「イージー・ラヴァー」とヒット・メーカー、フィル・コリンズのソロ第3弾。またまたこのLPからスローバラード「ワン・モア・ナイト」とアップ・テンポ「ススーディオ」のヒットを出した。
12インチ・ミックスばかりこうして聞くと、英国プログレ界出身のこの人が、実に貪欲にダンス・フロアのオイシいトレンド、取り込んできたのだなあ〜としみじみ。(2)なんかまるでスクリッティ・ポリッティ。ちょっとサービス過剰なとこも含めて、笑えます。
ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド解散後に、ジェフとマリアの夫婦で発表した69年の傑作。ブルースからフォーク、カントリー、ニューオリンズのR&Bまでを、ノスタルジックな香りを漂わせながら披露していく。ゆったりとしたテンポがたまらなくいい。
いろいろ表現に造詣の深い好奇心たっぷりの耳年増夫婦が、ウッドストックの仲間達とともに自然体で作り上げた1972年録音のデュオ名義第2作。ジャズもカントリーもチャック・ベリーもアクア・ハウスで深呼吸? いい雰囲気、そしてちょっぴり切なくて。
クナイフェルは旧ソ連反体制作曲家の大物のひとり。ケージ、フェルドマンなどの影響もあり、長めでゆっくりで静かな音楽を書きたがる。当CDの曲は、合唱の柔和な祈りの歌とチェロのかそけき独奏が交錯しつつ、しみじみ1時間続く。まあ、癒し系の音楽。
今のところ唯一の全曲録音とはいえ、とっても地味でシブイ音楽。メンコンのような甘美さやポピュラリティはないが、音楽的には質がすこぶる高い。これが小学校6年生の書いたものとは……。音色(オリジナル楽器)はもとより、演奏自体もハイ・レベル。
朝鮮半島や中国大陸の歌い手には、強じんな声帯の持ち主が多いが、反面、独特な発声の癖のようなものがある。ところがスミにはそんな癖がまったくない。世界の主要歌劇場から引く手あまたの理由である。それにしても透明で軽やかな歌声である。5月の「魔笛」が楽しみ。