1997年7月発売
小気味いい洒落たセンスで様々な素材を歌い上げるジャッキー&ロイの傑作。ふたりの掛け合いやハーモニーの美しさもさることながら、さりげないアレンジが絶妙。そして、バーニー・ケッセルを中心にしたバックのギター・トリオの後援も聴き逃せない。
ボストンのクラブ“ストーリービル”でのビリーの歌唱は、いつになく明朗なニュアンスを満面に湛えた珍しいもの。(1)や(5)がこれほど楽しげに演じられているのは驚きだ。特にスタン・ゲッツが参加した3曲((11)〜(13))は、彼女の切迫感を嫌う人に聴かせたい。
50年代のリー・コニッツは、一般にクール派と呼ばれているが、本作を一聴すれば心温まる音色を持ったアルト奏者であることがわかる。これはボストンにおける2つのライヴを収めたもので、彼の真骨頂を捉えた名盤に数えられる1枚。手頃な値段も魅力。
清潔感漂う歌声で人気の高かったテディ・キングの2枚の10インチ盤をカップリングしたコレクターズ・アイテム。前半6曲はピアノとのデュオ、7曲目以降はルビー・ブラフの加わったカルテットとの共演。淑やかで慎ましい歌声は、いまでは天然記念物。
東ドイツ臨終の1年前に結成された団体だが、色濃くドイツの伝統を押し出している。重厚というか重苦しいというか、分厚く強靭な音がいかにもドイツ! という感じ。これが売りか。シェーンベルクなんか商業主義国家の演奏家にはまねのできない晦渋さだ。
脱退したアンディ・デリスに代わる新ヴォーカリストとして、デヴィッド・リードマンを迎えた新生ピンク・クリームの2作目にあたる97年作。オルタナティヴ的感覚を取り入れながら、ポップでモダンなR&Rを創出した1枚。
4人編成による独メタル・バンドの本邦デビュー盤。が、本国では3rdが当たり、なるほどこなれた仕上がりをみせる。タイプ的にはレイジやアクセプトといったスピード・メタル系。ただ、ギターのフレーズにはコミカル味を出し、ジャーマンの体臭を放つ。