1999年1月25日発売
ステファン・グロスマンとの素晴らしいデュオ演奏による(1)を含むジョン・レンボーン・グループのライヴ盤。ルネッサンス時代のフランスの舞踏曲である(2)(3)をはじめ、古楽とフォークの大胆な融合をステージ上で見事に再現することに成功している。
日本人女の子バンド、サブ・ポップからのアルバム。パンクとハードなロックンロールが一緒になったような表現で、サブ・ポップが目を付けたのも了解できる。あんまり難しいこと考えずに、勢い重視でブイブイやっている様子は理屈抜きで共感持てます。
ゲーテのファウストを題材にしたこの曲は1時間を超え声楽も加わる大作。難渋なイメージがつきまとうが、この演奏は明快。バレンボイム、ベルリン・フィル、ドミンゴという豪華な組み合わせでリストの雄大なオーケストレーションの渦に身を置くのもよい。
協奏曲では自作のカデンツァを弾くなど、意欲満々。その切れ込みの鋭さや堂々とした風格はさすがである。ただし、音の弱い部分になると何となく生彩がないというか、味が薄くなりがち。録音のせいなのか。ソナタもいい場面はあるのだが。
新作も好調なセバドーが、92年にサブ・ポップから出した4作目。それにしても改めて、汚ぇしショボいし面白すぎる。ロウ・ファイなんて洒落たモンじゃなくて、好き放題やったら偶然できちゃったような・まさに非主流=オルタナティヴのパンク・ロック。
94年、最も良かった来日公演のひとつがセバドーだったが、そのルー・バーロウ率いるトリオの新作がこれ。『Goo』の時のソニック・ユースのように、混沌とした中にも凛とした意志が感じられる全15曲。そこらのロウ・ファイなんかと一緒にしないでね。
シアトル周辺を拠点にするファーストバックスの94年作。スピーディな荒削りロックンロール/パンク・ポップ・サウンドと甘い声で歌われるヴォーカルなのだが、意外と奥深くうっとりさせられるのだ。ラモーンズとモンキーズの出会いみたいです。
「チェリッシュ」や「ウィンディ」などのヒットを放ち、米60年代を彩ったバンドだが、殊に、68年発表のこれは、彼らの音楽的成果がひとつの頂点に辿り着いたときの代表作。実際、ふくよかなサウンドに緻密なコーラスとが一体化して、とにかく美しい。
作った人は荒井由実、大瀧詠一、吉田拓郎、山下達郎、竹内まりや。歌う人はアン・ルイス、太田裕美、キャンディーズ、山下久美子、アグネス・チャン、石川ひとみなどなど。蓋を開ければ、元渡辺プロダクションのタレントを集めたポップス集ってわけなのだ。
ニューミュージックの大御所たちの作品が全14曲。どの曲も輪郭のハッキリしたメロディばかりで、当時の歌謡界が受けたショックの大きさは想像に難くない。吉田拓郎が結構“お水系”のメロだったことにニヤリ。大瀧詠一作の(7)の気の入り方にもニヤニヤ。
60年代末〜70年代初期にヒットを飛ばした初代セクシー・シンガー、辺見マリのベスト。安井かずみによる絶妙の歌詞も小粋で、フレンチ・ポップスを継承しつつ日本独自の歌謡曲を完成させた傑作揃い。(14)〜(16)のハウス風のリミックスはやや悪ノリかも?