極北の歌姫と言われている彼女もベッドルーム・アーティストの類に入るのだろうか? コンピュータを駆使したサウンドとふんわり感のあるヴォーカルは、聴き手を摩訶不思議な世界へと誘ってくれる。しかも体温に近いぬくもりがある。
ただ黙々と自らの世界を貫いているように見えて、実はその時代時代に合わせて大きく変わり続けようとする歌い手、友部正人の新作。山川ノリオらとともに描かれるその世界はこれまで以上に幅を広げ、自らの音楽をさらに奥深いものへとしていく。まさに貫禄の一枚。