1999年3月発売
ラモー唯一の室内楽曲であるクラブサン合奏曲集にオーボエで挑んだインデアミューレ。朗々たる響きが耳を楽しませてくれる。ファゴットのデ・ヴィットとの掛け合いも絶妙だ。鋭い感覚で彼ら二人と対等に渡り合うブリツィのチェンバロがなかなかの聴きもの。
ヴィオラとアコーディオン。意外な組み合わせのようだが、音色といい、ちょっとインティートな音の佇まいといい、しん、とウェットにカラダに染み込むシブい響きが生まれる。細川、高橋、ユンの書く濃密な音が難解にオチず、耳を“深み”に誘い込む。
ばりばり挑戦する御喜美江らしいアルバム。あっと驚く出来だ。水と油ともいえる作品(1曲だけオルガン用として書かれた曲がある)をここまでアコーディオンの曲にしてしまった御喜の力量に脱帽。もうこうなると何でも出来てしまいそう。まず一聴を。★
夭折したルクーの珍しいピアノ四重奏曲が聴きもの。名曲ヴァイオリン・ソナタよりも相当に激しい感情の発露が感じられるが、美しい1st・VNの旋律は彼ならではの個性だ。それにしても最近若手の室内楽グループにはヒットが多い。金子陽子のピアノも秀逸。
この四重奏団は88年にパリ高等音楽院時代の仲間で結成、93年のヴィオッティ室内楽コンクールで優勝した実力派。当盤では団体名を採った(ガブリエル・)フォーレの作品だけに気合いも十分。思いの丈をすべて音に置き換えたような濃厚な表現で聴き手に迫る。
音とクレジットから推測するに、DOHZI-TとKOHEIという二人のラッパーに、レーベル・プロデューサーのROCK-Teeが音作りなどを担当した(と思われる)マキシCD。ストリートからのリアルなメッセージを発していこうとする彼らの熱気が伝わってくる音だ。
往年のCTIのプロダクツから、ヴォーカル曲を中心に選んだコンピレーション。今のクラブの空気を吸ったポップ・ナンバーに見られる多くの用件を、より濃いカタチで含んだブツが満載とは言えるかな。いろいろと嬉しい発見があるのは間違いなし。
イエモン、マルコシアス・バンプに続いて渋谷ラ・ママの“ENGINE”レーベルから限定発売されたアルバムを完成させたヒステリック・スージーズのファースト・アルバム。演奏力は確か。しかし艶やかさや下世話さには欠ける。そこは好みの問題か。
98年来日時にスタジオ録音したパドルホイール第4作。イタリア出身のトランペッター、ジャンニ・バッソをを加えたクインテットという点がこれまでの3作と違うところ。ダスコ得意の哀愁漂うバラードもいいが、(6)(7)に聴かれる熱い演奏がこれまた見事。★