2000年2月発売
ジャンルを超えたアーティストとのコラボレーションが大好きなブロドスキーQ。ベスト・アルバムとなってはいるが、彼らのそんな柔軟な音楽性にスポットを当てた構成。コステロとの顔合わせは今も新鮮だが、クラシックの小品たちの美しさも特筆ものだ。
R&B、カントリー、ブルースをルーツとした良質のアメリカン・ミュージックを創造する屈指の女性シンガー、トレイシー・ネルソンが71年にバンド名義で発表した名盤。エリック・カズをはじめとする選曲のセンスと卓越した歌唱力は、当時が際立っていた。
昨年11月にこの世を去ったテックス・メックス野郎。近年はテキサス・トーネイドーズの一員としても活躍していた彼の74年の傑作がコレ。タイトル通りグルーヴィで親しみやすいアメリカン・ロックのオンパレードで和む。白黒イラストのジャケもいい。
バーズ脱退後の73年に発表した初ソロ。バンジョーやマンドリン、フィドルを前面に出したカントリー/ブルーグラス色濃い内容で、盟友ギブ・ギルボー、クラレンス・ホワイトらの好サポートも光る。リトル・フィートのカヴァー(4)や(11)などのバラードが染みた。
剣の舞だろうが夜の女王のアリアだろうが、速いパッセージを軽々と吹いていく。フィンランド期待のトランペッターだ。巧い、そして音色も魅力的だ。それ以上にどこかクールさのある表現に惹かれる。ヴォカリーズや憂鬱なワルツの透明な叙情にこそ注目。
このところ話題盤を発表しているフィンランド出身のトランペッター、ハルヤンネの新譜は「アダージョ」と題したクリスマス企画。これまでの破天荒なテクニックのイメージが強かったが、音色の相性ピッタリのオルガンを伴奏に静謐な世界を繰り広げている。
ヨウコ・ハルヤンネは1962年フィンランド出身のトランペット奏者。彼の発案で、20世紀アメリカで書かれたトランペット・ソナタを収録。映画音楽やジャズに触発された4曲を輝かしい音色で自在に奏しており、優れた技巧も魅力。ピアノの表情が少し堅い……。
グワーンと低音を鳴らしておいて、その上に薄くクリスタルに高音をキラめかせ、走れば光、浮かべば神秘、ぶつかりゃ戦い、淀めばカオス。60年生まれのエストニアの作曲家によるこの曲集、こうした堂々たる“アッタリマエ”さかげんがアッパレなのだ。
ペルトやスメラなどの作曲家を輩出したエストニアは、現代音楽において独特な存在感のある“場所”だ。どの曲も表現の“新しさ”のみを追求するのでなく、作曲家の根源的で切実な欲求に基づいた、表現への強力な意志を感じさせ、それが聴き手を揺り動かす。
傑作セカンド『ジャーニー・オブ・フォーサイト』のリミックス・アルバム。もともとヒップホップだけに収まらない音楽性を内包してるグループだけに、異種格闘戦でもハジけたトコ聴かせます。ヒップホップ系のリミキサーもいい仕事してる。