2002年12月発売
黒沢進の監修でコンパイルされたミノルフォンとクラウン音源の60年代女性歌手のシングル・コレクション。冒頭の伊集加代子のスキャットをはじめモダンと泥臭さがないまぜになた時代の証拠がある。オリジナル・ジャケットも見られる親切なつくり。
86年公開の映画『ジャズ大名』(筒井康隆原作)のサントラ盤と、そのサントラの音楽監督でもある山下洋輔が筒井のクラリネットと共演した5曲をカップリング。ジャズに邦楽の要素を取り入れたサントラはユーモアたっぷり。筒井の玄人はだしのクラリネットも楽しめる。
日本のロック史にその名を残すあんぜんバンドが75年にリリースしたファースト・アルバムにシングル曲をプラスした復刻盤。サザン・ロックからブリティッシュ・ロックに至るさまざまな影響を手当りしだいに形にしている感じの勢いあふれる演奏っぷりがたまらない。
石川県小松を拠点にグレイトフル・デッドの在りようを手本として活動した6人組バンドの76年発表のアルバムの復刻。レコーディングにおいて、バンドの本領が発揮されたとはいいがたいのが惜しまれるが、「山を越え、谷を越え」をはじめ代表曲を収録。
76年発表のサード・アルバムの初CD化。2ドラム、2ギター編成のカントリー色濃厚なロックを展開する石川県・小松から登場した最強ライヴ・バンドとして名をはせていた頃のLA録音作品。ポップな感性による米国的なブルース・ロックとして再評価したい。
日本の70'sブルース・ブームの中心となった京都出身の伝説的な名グループ、ウエスト・ロードが75年に発表したデビュー名作。山岸潤史、塩次伸二という2大ギタリストの競演を軸にした卓越した演奏は驚異的。シカゴ・ブルースの名曲をじっくり楽しめる。
『スイングジャーナル』誌の読者リクエスト曲12曲にヒギンズ自身がぜひ録音したかったという「アイ・リメンバー・クリフォード」と「アゲイン」を加えた親しみやすい選曲が一番の特徴。ちなみにタイトル曲はリクエスト第1位曲。気品漂うエレガントなピアノ・トリオ。
ボラーニは伊ジャズ界で注目を集めるピアノの新星。国内第2弾となる本作はアメリカン・ソングブックというべきスタンダード集。エリントン&ストレイホーン、ポーターらの名曲に、斬新な視点でフレッシュな解釈を試みる。今後の活躍にも注目したい。
フィンランド産シンフォニック・デス・メタル・バンドの2作目。北欧お家芸のこの様式の基本を押さえ、まるでロープレのBGMのごとくにゆっくり流れじっくり劇的に盛り上がっていくドラマ性の面白みを備えている。展開の力強さとスペーシーなキーボードの音色が印象的だ。
ジャズ・ピアノ、ベース、三人のチェロ奏者によるジャンルを超越したプロジェクト。ロンドンのミュージカル名曲集だ。チェロ奏者はジャズとクラシックに通じる名演奏家たち。ありそうでない優雅でおしゃれな音楽。スウィングしており、クオリティも高い。
アニメ・ファンのジャズメンは多いようで、ついに『巨人の星』まで出た。しかしキワモノではない。『巨人の星』はテーマ部分に使われているだけで、アドリブでは全然わからないはず。高瀬のラッパはウォレス・ルーニー、吉田のギターはウエス風。こちらもパロッタか!?
P32G532の再発売。VPOのコンマス、キュッヒルらを中心とした団体による演奏だが、キュッヒルと、そして故ヘッツェルらのコンマス時代になると、彼らの室内楽演奏も往時の面影は薄くなり、現代的な明るく洗練されたものへと変貌した。残響たっぷりの録音。