2002年6月26日発売
2002年はドイツの指揮者オイゲン・ヨッフムの、生誕100年そして没後15年。そのヨッフムが84年に録音したモーツァルトは、もちろん今風の爽やかなものではない。だがオケの持味との相乗効果もあり、安定感と風格ある味わいがどこか懐かしい。
N響の名誉指揮者としても知られるシュタインが、手兵バンベルク響を率いての「英雄」。ドイツの伝統的なスタイルに則って、端正さと小気味のよい躍動感を手堅く両立させながら、精彩に満ちた好演奏に仕上げている。明るく密度の高いオケの響きの貢献度も大。
シュタインは独特の風貌で日本でもおなじみだが、その職人的な指揮ぶりはいかにも玄人受けする。ドイツ各地の劇場で鍛え上げた無駄のない音楽。85年から首席をつとめたバンベルク響との組み合わせは、彼にとってもっとも優れた仕事と言える。快活で伸びやかで、大袈裟な身振りは一切なし。共感に満ちた等身大のシューベルトが聴ける。
制作・出演
シューマン / ジュリー・カウフマン / トーマス・モーザー / バイエルン放送交響楽団 / ビルギット・カルム / ヘレン・ドナート / マリヤーナ・リポヴシェク / ヤン=ヘンドリク・ローテリング / ヴォルフガング・サヴァリッシュ最近までほとんど聴かれることのなかったシューマンの「レクイエム」だが、こうした曲に光を当てるあたりは、さすがにサヴァリッシュの見識と言えそうだ。40歳を超えたころに作曲された美しい曲。合唱の各声部を巧みにコントロールし、声の色合いを微妙に変えながら、うねりのように展開する。ふと現れる深い淵のような静かな響き。名演。
タイトルが示すとおり、“プロポーズ”をテーマにしたミドル・バラード。ドラマティックな展開をみせるメロディ・ラインを、壮大なストリングスがうまく盛り上げている。少女っぽさを残したヴォーカルも、かわいい。カップリングの「片想い」はアイドル系のロック・チューン。
デビュー曲のDisc-1の(1)から2002年のDisc-2の(11)に至る25年の歩みを自身の選曲で振り返るベスト盤。フォークかロックか(?)的文脈で語られることの多かった長渕だが、Disc-1の(4)は彼もビジュアル系ロックの祖の一人であることの証明だ。