2002年9月発売
志ん朝復活ー色は匂へと散りぬるを ぬ[高田馬場]・[甲府い]志ん朝復活ー色は匂へと散りぬるを ぬ[高田馬場]・[甲府い]
81年春の三百人劇場での録音。ジャケ写の若いこと。「高田馬場」は昔の珍商売を紹介するマクラだけで十分に笑わせてくれる。ネタに入ってからも、仇討ちフィーバーに盛り上がる街中の描写に、この人らしい鋭い観察眼を感じる。「甲府い」は淡々とした語り口の一席。
志ん朝復活ー色は匂へと散りぬるを る[火事息子]・[厩火事]志ん朝復活ー色は匂へと散りぬるを る[火事息子]・[厩火事]
勘当した息子が“臥煙”となり、火事騒ぎの最中に手助けに来る「火事息子」は人情噺であるが、志ん朝は絶妙のテンポで微笑みを誘う口演である。女髪結いが年下の亭主と喧嘩をしては仲人に泣きつく「厩火事」では、小気味良い口調でぽんぽんと展開する。
エドガー・メイヤー/ボッテシーニ:コントラバス協奏曲 他エドガー・メイヤー/ボッテシーニ:コントラバス協奏曲 他
ベーシストで作曲家のメイヤーが、自作と19世紀半ばに活躍したボッテシーニの作品を組み合わせたディスクである。小回りが利かない低音楽器から流麗で楽天的な音楽を引き出すメイヤーの妙技に加え、気の合った仲間たちとの絶妙のアンサンブルが心地よい。
ロドリーゴ:ピアノ作品全集ロドリーゴ:ピアノ作品全集
ロドリーゴの愛奏楽器はギターではなくピアノだった! 「アランフェス協奏曲」で著名なロドリーゴにはラヴェルやアルベニスを思わせる印象派風の詩情溢れるピアノ曲がかなり残されている。作曲者とも親交のあったマリアノヴィチによる瑞々しくも華麗な演奏。決定盤である。
桂文治2-朝日名人会ライヴシリーズ14[親子酒]・[禁酒番屋]桂文治2-朝日名人会ライヴシリーズ14[親子酒]・[禁酒番屋]
禁酒を誓いあった息子の留守中、親父はこっそり一杯……、が何杯にもなってヘベレケに。そこに息子が帰ってきて、という親子酒。また藩士一同に禁酒令が出たなかで、番屋の検問をかいくぐって酒屋へ通ろうとする禁酒番屋。無類の酒好きの文治の真骨頂に触れることができる二席だ。
三遊亭小遊三1-朝日名人会ライヴシリーズ15[大工調べ]・[粗忽の釘]三遊亭小遊三1-朝日名人会ライヴシリーズ15[大工調べ]・[粗忽の釘]
出囃子の“バッテンボー”が聴こえてきた瞬間に、明るく軽妙な高座が目に浮かぶ。「大工調べ」の棟梁のやや勘違いの威勢よさ、「粗忽の釘」のこちらは文句なしの勘違いぶり、どちらも小遊三そのものではと思わせるところが偉い(!?)。寄席の楽しさを味わうならこの一枚。
ポートレイト・バイ・エリントンポートレイト・バイ・エリントン