2003年8月27日発売
制作・出演
エリック・タピー / マガリ・シュヴァルツ / マリア=グラツィア・フェッラチーニ=マラカルネ / ミシェル・コルボ / モンテヴェルディ / ユグ・キュエノー / ルチアーナ・ティチネッリ=ファットリ / ローザンヌ声楽アンサンブル懐かしいコルボの旧録音である。モダン楽器による演奏スタイルは時流にそぐわないが、祈りの音楽としての素直な表現は今も清新である。流れるような淀みの無い音楽は明快で、宗教曲としての典雅さとともにこの曲が持つ劇場的な華やかさも味わわせてくれる。
制作・出演
ジェニファー・スミス / ジャン=フランソワ・パイヤール / ツェーガー・ヴァンデルシュテーン / パイヤール管弦楽団 / フィリップ・フッテンロッハー / フランシーヌ・ベサック / リュリ / ルイ・デヴォー / ヴァランス≪ア・クール・ジョワ≫合唱団ルイ14世に仕えたフランス・バロック・オペラの基礎を築いたリュリの比較的珍しい宗教音楽を聴く。賑々しいトランペットのファンファーレで始まる「テ・デウム」や劇的な「怒りの日」を、パイヤール指揮のパイヤール管弦楽団他が壮麗に奏でる。
制作・出演
J.S.バッハ / クルト・レーデル / ピエール・ピエルロ / ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団 / モーリス・アンドレ / ラインホルト・バルヒェット / ロベール・ヴェイロン=ラクロワ久しぶりに聴いて感動した。好きずきはあろうが、やはり現代楽器の方が鳴り方が自然だ。この小味で明るくしゃれた雰囲気、そして名手たちの妙技。録音も「これが1962年?」と驚くほど新鮮。大指揮者たちの回想が含まれるレーデルの最新インタビューも面白い。買いです。★
制作・出演
J.S.バッハ / インゴ・ゴリツキ / エグベルト・グッチョ / カール・リステンパルト / ザール放送室内管弦楽団 / ヘルムート・ヴィンシャーマン / ヘンニンク・トゥルーク / ユゲット・ドレフュス / ロベール・ヴェイロン=ラクロワランパルの5回にもわたるバッハ・ソナタ集の、これは3度目のものの初CD化。ランパルらしく、常にむらなくたっぷりと楽器を鳴らし、恰幅の大きな音楽を繰り広げている(その屈託のなさに若干の抵抗を覚える向きもあろうが)。V.=ラクロワの多彩なサポートが楽しい。
制作・出演
アンドレ・マラブレラ / シャルパンティエ / ジャック・マルス / ジョスリーヌ・シャモナン / ジョルジュ・アブドゥン / パイヤール管弦楽団 / マルタ・アンジェリシ / ルイ・マルティーニ / レミー・コラッツァ華やかなアンドレのトランペットが朗々とした歌を奏で上げ、至福のひとときをもたらしてくれる古典的名盤だ。ヴィヴァルディの協奏曲のソロを、アルバン・ベルクSQの第1ヴァイオリン奏者として著名なピヒラーが担当しているのもファンには朗報だろう。
18世紀にマンドリン音楽の中心地として栄えたナポリで作曲された協奏曲集。当時はトレモロ奏法がまだ発達しておらず、現在の演奏とは違った雰囲気を醸していて面白い。イタリアン・バロックの大家シモーネが華やかさと優美さを兼備した佳演を楽しませる。
日本コロムビアがエラート・レーベルの名声を築きそのアーティストたちへの評価を高めていった時期の名盤復刻。当時からのファンにとっては懐かしい録音でもあり、こだわりのマスタリングでCD化だ。ある意味、初めて聴かれるマスターの音質とも言えよう。
LP時代はカートリッジを取り替えながら楽しんだが、今回は音質も大幅に改善されて、個々の楽器の音色や響き具合の違いが、かなり明瞭に聴き取れる。アモイヤルの演奏もまずまずで、ヴァイオリン・ファンにもオーディオ・ファンにも楽しめる復刻となっている。
アンドレのトランペットの華やいで煌めく高域の響きや、パイヤール室内oの弦楽アンサンブルのまろやかで艶のある音色で聴くバロック音楽は、耳を立てるというよりはいわば音に浸る楽しみ。有名なカノンも、感傷にオチず、どこかゆったりしみじみと味わいが沁みてくる。