音楽むすび | 2006年8月発売

タイトル曲はCMで2006年夏にいやというほど聴きました。ジャケット写真を含め、桑田佳祐ならではの“ロック中年”ぶりがてんこ盛りで、ファンにはうれしいサービス盤だろう。とはいえミュージシャンとしての本音は、ゴスペル〜サザン・ロック風味の(2)では。

加藤剛が森鴎外の代表作『舞姫』を朗読。文語体に新しい息吹を与えた鴎外の文章が、耳から入ることによって一語一語がより明確に粒立つ。国家の品格だの美しい国だの言う前に、日本人の根幹たる日本語の美しさを身体に刻み込むべきと、一聴を勧める。

朗読CDシリーズ“心の本棚”で企画された一枚。『武蔵野』は、明治の自然主義作家・国木田独歩の代表作で、散文と小説との中間のような新しい分野を開拓したもの。格調高い美しい日本語と山谷初男の味わい深い温かな語り口に心を癒される。