2008年1月発売
歴史に残る作曲者の数々が“はたちの頃”に作った曲を集めたクラシック・コンピ。コーディネーター・山尾敦史の「普通に楽しもうと思って買ってくれたのでは無い筈」とライナーに書いてしまうセンスが、読んでも聴いても面白い好企画にしている。企画ものはこうでないと。
発売元
キングレコード株式会社徹底されたケーゲル的な幻想交響曲として、発売当初から話題となった録音。ユニークなデュナーミク、細部への拘泥、鐘の使い方や終楽章の大胆なコーダ。怪奇と幻想の世界にどっぷりとつかれる逸品だ。
速めのテンポで、すっきりと見事なバランスを持ってブルックナーの世界を描き出した録音。あいまいな響きがひとつもない、明瞭に磨き上げられた音が美しい。レーグナーによるブルックーの代表的な録音のひとつだ。
第6番と並んで、レーグナーが残したブルックナーの最上の一枚。速めのテンポ、絶妙なバランス、滑らかな旋律線と、ふくよかな響きをたたえている。ブルックナーの宇宙を的確に描き切った名演だ。
ゲヴァントハウスの幾分くすんだ、ドイツ的な響きを持ったマーラー。甘美で退廃的なマーラーではないが、この曲の持つ聴きどころの第2、第4楽章の「夜の歌」の雰囲気が良く出ている。ちょっと独特なマーラーだ。
旧東ドイツを代表する合唱指揮者で、バロック音楽の大家でもあったコッホが指揮したヘンデルは、独特の渋みを持った“ドイツのヘンデル”といった趣だ。地味だが現代楽器による最良の演奏のひとつと言える。
制作・出演
クリスティアン・フンケ / ハンス・ヴェルナー・ヴェーツィヒ / フリッツ・グレーフェ / ヘルベルト・アウェルバッハ / ヘルムート・コッホ / ヘンデル / ベルリン放送交響楽団 / ヴォルフ=ディーター・ハンスヒルド発売元
キングレコード株式会社旧東ドイツのバロックの大家、ヘルムート・コッホが指揮するヘンデル。コッホの丁寧な指揮で、作品の魅力が明確に浮き上がっている。ソリストたちがとても上手く、温かな響きを奏でるオーケストラも魅力的だ。
発売元
キングレコード株式会社レーグナーのバランス感覚が見事に活かされていて、その深いスコアの読みは踊りのための音楽というより、ドラマティックな物語として構築されている。ベルリン放響の高い合奏能力をフルに発揮させた録音だ。
オペラ指揮者としても実績があるだけに、このバレエ作品でも、ドラマの構築に優れた手腕を発揮している。洗練された美しい響きを引き出しつつも、決して華美にはならないところがレーグナーらしい。
ヤナーチェクの土臭さといった民族性は若干希薄ではあるが、独特の語法は明確に眼前に広がっている。レーグナーの高度な職人技が、しっかりと息づいており、とりわけ「シンフォニエッタ」は素晴らしい。
発売元
キングレコード株式会社ライプツィヒ放送響のソロ・オーボエ奏者だったグレッツナーによる、ヴィヴァルディとテレマンのオーボエ協奏曲集。全体にスタイリッシュな演奏だが、グレッツナーの濃やかなニュアンスが豊かな表情を作り出している。
発売元
キングレコード株式会社チャイコフスキーのもっとも人気のあるピアノとヴァイオリンの協奏曲を収めた嬉しい一枚。レーゼルの明確で堅固な構築力やフンケのよくうたうロマンティックな表現力、そしてスケールの大きなマズアの指揮が堪能できる。
旧東ドイツのオルガニスト、アルブレヒトによる、意外にも珍しいブラームスのオルガン曲全集。遺作となった「11のコラール前奏曲」など、ブラームス晩年の澄みきった美しさに満ちている。一聴の価値大いにあり。
旧東ドイツの名ピアニスト、レーゼルの得意としていたベートーヴェン。録音当時まだ30代だったが、ドイツの伝統的なピアニズムを継承し、堅実でオーソドックス、堅固な造形を構築している。清々しい演奏だ。