2010年10月発売
バロック時代にも“3大テノール”がいた。ビアード、ボロジーニ、そしてファブリはカストラートに対抗しえるスターだった。彼らのそれぞれの持ち味を類推し選曲し歌い分けを行なったのがボストリッジ。特にヘンデルのアリアは古楽オケの妙なる響きと相まって素晴らしく魅了される。★
制作・出演
オッコ・カム / ショパン / ジミー竹内 / ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 / マリア・ホロパイネン / ヨルマ・パヌラ / リュドベルイ / 日本フィルハーモニー交響楽団 / 柴田恒夫 / 舘野泉発売元
ユニバーサルミュージック舘野泉のデビュー50周年を期して編まれたBOX。2004年以降は「左手のピアニスト」として活躍する彼が、70年代にいかに傑出したレコーディング活動を行なっていたかを如実に示すもの。24枚中17枚分が初CD化で、スペシャルCDには舘野と親交のあった石田一郎(1909〜1990)の作品(堅固な構成に込められた郷愁と憧憬が聴きもの)と未発表音源も収録。各アルバムのジャケットはLPリリース時のデザインを復刻、当時のライナーノーツも再録しており、中でも『フィンランド・ピアノ名曲選』のブックレット(132ページ!)には知られざる作曲家たちの作品が譜例入りで解説されており、資料としてもきわめて貴重。演奏は正攻法にして真摯、作品に寄せる温かな共感が素晴らしい。パルムグレンとエングルンドの清冽&重厚な協奏曲、フィンランドの人々にシベリウスの小品の魅力を再認識させたピアノ名曲集と歌曲集など聴きごたえ十分。グリーグとラフマニノフの録音は分裂直前の日本フィルの充実を伝えるドキュメントでもある。録音が希少な作品の収録に情熱を傾けた70年代の関係者たちのひたむきさ、それを今に蘇らせた制作サイドの姿勢に大拍手。★
発売元
ユニバーサルミュージック1970年代EMIに録音した貴重な音源から、舘野泉本人の選曲によるアルバム。当時舘野が暮らしていたフィンランドをはじめ北欧の作曲家の作品が主体となっている。未CD化の音源も含んだベスト盤だ。
コンポーザー・ピアニスト和田七奈江の2年ぶり第2作。クラシカルな技術をベースに、音数の多さとガッツのある鳴りで聴かせるオリジナル群は、ピアノ演奏家好みのスタイルといえそう。クラシックの旋律をときおり織り交ぜるスタイルは前作を踏襲しており、曲目も一部重なっている。
哀愁を帯びたトランペットの音色にストリングスがドラマティックにからむイントロから始まる、別れた人への思い出ソング。愛した人への未練心をアカシアに投影しながら、しみじみと歌いかける。耳に心地よい手馴れたメロディと美川の凄みを増した歌唱が絶品。カップリングもA面に匹敵する仕上がり。
サラエヴォ冬季オリンピックのテーマ曲で一躍国民的歌手となり、以来、世界中で活躍するヤドランカ。彼女が長山洋子に提供した楽曲をセルフ・カヴァーしたのが本作。ファドの歌姫、アマリア・ロドリゲスをテーマにした、エキゾチックな魅力たっぷりの楽曲だ。
元KCBのジェヒことpixyのソロ・デビュー・ミニ・アルバム。本国韓国ではアイドル事務所の練習生だったルックスと、高々と響く“泣き”のファルセットが乙女心にソフト・タッチするJ-POPサウンド。一人の人間として世界観を広げ、結果ヴォーカリストとしてチャーミングに成長した手ごたえを感じる作品。
吉田結威(g,vo)と山田義孝(vo) の男性デュオの初アルバム。2009年に発売したデビュー曲から3曲までのシングル曲とこれまでライヴで披露するなど温めてきた曲を加えた全12曲。優しく温かい声とつい口ずさんでしまうキャッチーなメロディで、前向きで力強いメッセージを歌った応援歌アルバム。
発売元
株式会社ポニーキャニオン韓国の女性歌手。母国では何枚もアルバムを発表しているが、日本盤はこれが3枚目。きめ細か、表情豊かで、声になんともいえぬ色気がある。スタンダード中心、マイケル・フランクスの曲もさわやかに。日野皓正、松島啓之ら日本人ミュージシャンとの息もぴったり。
つるの剛士のオリジナル・ファースト・アルバム。シングル曲2曲を含む全13曲を収録。うち5曲のタイアップを引っ提げ人気ぶりを物語る。バラードからハイ・テンポのナンバーまで幅広いヴォーカル・レンジを持つことを力強くアピール。ヴォーカリストとしての第一歩となるマイルストーン。
初のオリジナル・アルバム『つるばむ』でも、多くのミュージシャンとコラボを展開している彼だが、“つるロックレーベル”からリリースした同時発売のこのシングルでは、the pillowsの山中さわお(「シュガーバイン」)、ELECTRIC EEL SHOCK(「Two weeks to death」)と絡み、激しく熱いつるの流ロックを聴かせてくれる。
結成10周年を記念したベスト・アルバム。華麗にしてメロディアスなギター・アンサンブルが印象的な「-Believe-」、アグレシッヴに突き進むビートとサビに入った瞬間にダイナミックな広がりを見せるヴォーカルがひとつになった「極東乱心天国」など、独自の世界観と高い音楽性が堪能できる。