2010年11月10日発売
マイスキーの小品集シリーズの1枚目。ゆったりとしたテンポの優しい曲集だ。慈しむように1音1音に感情をこめて歌い紡いでゆく。情感豊かな演奏だが過多になることはなく、品の良さを保っている。
バレンボイムがパリ管の音楽監督に就任した翌年というよりも、最初のシーズンに録音されたアルバムだ。まだバレンボイムのオーケストラになりきっていないが、豊かな響きと多彩な音色に満ちた演奏を聴かせている。
第1番は2種あるうちの最初の録音、第2番は3種のうちの2番目の録音。1986年度のレコード・アカデミー賞受賞盤で、際立つ個性の持ち主である2人ががっぷり組んだ名演として高い評価を得たアルバムである。
ザイフェルトは当時ベルリン・フィルの首席奏者だった。カラヤンにとっては2度目、ザイフェルトにとっては初の録音で、数あるザイフェルトの録音の中でも代表作として名高いものだ。ふくよかな音色の名演である。
新ウィーン楽派の3つの重要な協奏曲を収録している。20世紀を代表する3人の名手たちによる三者三様のアプローチを、クーベリックがしっかりと支えるという、絶妙なバランスを持った名盤として評価されている。
4台の協奏曲に登場するシュミットは、この数年前まで西ドイツの首相だった人で、彼我の首相の違いと合わせて大きな話題となったアルバムである。他の3曲もエッシェンバッハを中心に見事にまとまっている。
制作・出演
アンサンブル・ウィーン=ベルリン / カール・ライスター / ギュンター・ヘーグナー / ジェイムズ・レヴァイン / ハンスイェルク・シェレンベルガー / プーランク / ミラン・トゥルコヴィッチ / ヴォルフガング・シュルツプーランクのピアノと管楽器のための作品集。フランス人が1人もいないメンバーによって演奏されている。洗練さと洒脱さにおいて、プーランクらしさを見事に表出するあたり、名人たちの凄さが感じられる逸品だ。
いずれもチョン唯一の録音で、R.シュトラウスは数種録音があるが、レスピーギは珍しい。ツィマーマンとの共演もこれだけだが、異質の個性がぶつかった予想以上に聴き応えがあるアルバムに仕上がっている。
アッカルド2度目の録音。何種類も優れた演奏の録音があるが、いまだにこの曲の代表盤として高い評価を得ている。「パガニーニの再来」と呼ばれただけに、この曲を聴くのなら外せないアルバムである。
ギタリストでもあったパガニーニは、ギターとヴァイオリンのための曲をたくさん書いているが、その多くがロマンティックで甘美な曲である。シャハムとセルシェルが初共演した、決定盤といってもいいアルバムだ。
ともに南米出身の同世代のピアニストだが、フレイレはアルゲリッチと組んで改めて、その存在を鮮明にアピールした。これはそのうちの1枚で、2人の調和と緊張感が見事にバランスされた名盤として名高い。
キーシン19歳の時の録音で、同時に撮った映像もある。シューベルトのヴィルトゥオーゾ的大作「さすらい人幻想曲」やブラームス晩年の渋い名品、リストの華やかな曲と、キーシンの技巧と抒情性が発揮された一枚。
フィッシャー=ディースカウにとって、「さすらう若人の歌」と「亡き子をしのぶ歌」はフルトヴェングラーとの名演以来の再録となる。彼の全盛期の録音だけあって、細部に至るまで入念に練り上げられており、見事としか言いようがない。
年齢ごとにピアニストを替えて、数種類の録音を残しているフィッシャー=ディースカウが50代半ばに行なった、5度目となる録音。雄弁なバレンボイムのピアノを得て、またひとつ名演が加わった。
制作・出演
LennoxMackenzie / アシュレイ・アールブックル / クラウディオ・アバド / ペルゴレーシ / マイケル・デイヴィス / マーガレット・マーシャル / ルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ / レスリー・ピアソン / ロンドン交響楽団アバドの2種ある録音のうち最初のもの。駄作がないといわれる古今の「スターバト・マーテル」中屈指の傑作といわれる、早世の作曲者の白鳥の歌で、アバドの静と動の見事な対比と2人の歌手の名唱が感動を誘う。
デイヴィスはボストン響とロンドン響とで約20年の期間をおいて2種の全集を作っている。これは、最初の録音の方である。シベリウスのダイナミズムと抒情性とが見事にバランスされたスタンダードな名演である。
ゲルギエフのライヴ録音した全集からの1枚。7曲ある交響曲の中で最もポピュラーな2曲をカップリングしている。ゲルギエフの熱気にぴたりとついて行くロンドン響の優れた機能性が見事に合致した演奏だ。
近現代ものにおいて絶大な力を発揮する小澤のR.シュトラウスだけに、非常に高い評価を得ている録音である。ボストン響を完全にコントロールし、細部のへの彫琢とスケール感とを併せ持った演奏を展開する。
デュトワによってモントリオール響は、洗練されたオーケストラへと変貌を遂げた。当コンビによるストラヴィンスキー初録音となる「春の祭典」など、精緻で多彩な色彩感と強烈なダイナミズムを両立させている。