2010年5月発売
80年代に北欧メタル・バンドとして日本でも高い人気を誇ったトリート。93年に解散後、2006年に再結成を果たした彼らが18年ぶりにアルバムをリリースした。キレのあるメロディアス・ハード・ロックは健在で、キャッチーなサビなど、哀愁漂うヴォーカル・メロディも絶品だ。
三度目の復活劇となる9年ぶりのアルバムは、バンドの中核であるハフ兄弟の兄ダンはゲスト参加という形にとどまり、弟のデヴィッド主導で制作。メロディアスでスピード感のある彼らならではのサウンドを維持しつつ、若干のAORテイストも加え、風格のある大人なロックを聴かせる。
米ロサンゼルス出身の5人組ヘヴィ・メタル・バンドのデビュー作。アイアン・メイデン、ジューダス・プリーストなどに影響を受けたというとおり、英国のバンドの雰囲気が漂うスリリングな楽曲が並んでいる。存在感のあるヴォーカルと看板ともいえるツイン・ギターが聴きものだ。
カナダ拠点のバンドの7作目で、ジョン・マッケンタイア(トータス他)のプロデュースで、激しくても汗臭さのないポスト・ロック的な音作りになっている。曲ごとにたくさんのミュージシャンが参加して野外フェスで盛り上がること必至だ。エンハンストCD使用でMP3の10曲がボーナス・トラック。
長谷川伸による戯曲『瞼の母』を原作にした股旅演歌。岡千秋作曲による楽曲は、メジャーとマイナーを同主調で転調していく、演歌では珍しいモダンな構造。天童よしみの安定感バツグンの歌唱力もさることながら、舞台を演じているかのようなセリフも見事にさえわたった、見せる演歌。
情感をやわらかに絞り出す歌唱スタイルが魅力の永井みゆきならではの、ほんわかとした夫婦もの演歌だ。「愛縁坂」では、じんわりと幸せ感が伝わってくる。女房の母性に男は包まれている社会なんだなーと思わせる「だんじりの女房」など、岸和田出身の彼女らしい歌を聴かせる。
ラッパーのNasとボブ・マーリーの息子のユニットによるアルバム。ヒップホップとレゲエというジャンルの融合=どちらの要素もある中間色の世界を感じる。その上で彼らのルーツであるアフリカ大陸がサウンドの背景に広がりを見せている。現実の抱える諸問題を踏まえた歌詞には、深く重く哲学的な強い意思を感じる。★
発売元
ユニバーサルミュージックDJ界のプリンセスと呼ばれている彼女のアルバム。レディー・ガガ、ジャスティン・ビーバーといった旬なアーティストの楽曲はもちろん、「Ready Go Go」では傳田真央、COMA-CHI、HUNGER (GAGLE)とコラボレーションした、アゲアゲのパーティ・チューンを披露している。洋楽・邦楽問わず、踊れる30トラックの熱気を体感できる。
レーベルを移籍し、レパートリーをJ-POPやオリジナルにまで拡大しての第4作。ジャジィなハーモニーは相変わらず見事だが、ナチュラルな録音と相まって、リラックス感も強化。「カケラたち」は知る人ぞ知る松倉サオリのアルバム曲。こうした曲をカヴァーするセンスの良さが、アルバムの背骨になっている。
リリカルで繊細なピアニズムによる異色のベートーヴェン演奏として話題を呼んだ録音。ルプーの美質が前面に出ているうえ、独特の美しさを湛えていて高い評価を得た。メータの伴奏もピアノをどっしりと支えている。
ルプーの日本でのデビュー盤で、リリカルなピアニズムと堅固な構築感をもった新鮮なベートーヴェンとして好評を得た一枚だ。SHM-CD仕様によって、ルプーの紡ぎだす音が一層冴えわたる。
ルプーの繊細な感受性によって、この曲の抒情性と古典的な均整美が磨きあげられ前面に出ている演奏として話題となった一枚。デ・ワールト、ロンドン・フィルも、ルプーの資質を活かした演奏をしている。
ブラームス初期の3つのソナタのうち、規模が大きく5楽章という変則形式のソナタを、ルプーが豊かな感受性で晦渋さの残るこの大曲を見事にまとめあげている。彼の美質が活きた「主題と変奏」も聴きものだ。