著者 : あさのあつこ
スタートアップ企業を立ち上げようと奮闘する若者を描いた青春小説! 累計1000万部突破の『バッテリー』シリーズ、『No.6』などで10代の少年少女から圧倒的な支持を受ける作家・あさのあつこ氏。 その4年ぶりの青春小説で、スタートアップを立ち上げようと奮闘する若者4人を描いた『アーセナルにおいでよ』が誕生しました。 あさの氏は、 「生きていく武器をちゃんと身につけてもらいたい。そういう思いを込めて書きました」 「よくありがちな「起業した若者たちの物語」という言葉では括れない、彼らたちだけの物語ができました」 と語られています。 ネットの中傷、不登校、詐欺など学校や社会に馴染めずドロップアウトした主人公たちが、起業という一つの目標に向かい、生きる「武器」を手に入れていく、まさに現代に求められる物語です。 【あらすじ】 「おれ、今度、起業するんだ」 幼馴染で初恋の相手・芳竹甲斐から突然呼び出された高校3 年生の川相千香は、その文章力と思索力を見込まれ、スタートアップのメンバーとしてスカウトされた。会社の名前は「アーセナル」。「器庫」という意味だという。コンプレックスを持つ千香。中学生で不登校になった甲斐。詐欺に巻き込まれて逮捕歴のある稲作陽太。バツイチの古藤里佳子・通称コトリ。それぞれ問題を抱えた4 人は、各々の個性と能力を武器に、「アーセナル」のために奔走するーー。 【著者プロフィール】 あさの・あつこ 岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、99 年『バッテリーII 』で第39 回日本児童文学者協会賞、2005 年『バッテリーI〜VI 』で第54回小学館児童出版文化賞、11年『たまゆら』で第18回島清恋愛文学賞を受賞。他の著書に『No.6 』『ランナー』『火群のごとく』『透き通った風が吹いて』『野火、奔る』など多数。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。 装画 長場雄
「生きねばなりません。 そのお手伝い、 させていただきます」 切腹を命じられた武士を お梅は療治できるのか? 読むと身も心もやわらぐ時代小説 【あらすじ】 五歳の時に光を失い、 揉み療治を生業としているお梅。 市井の人々に大評判で、一年先まで申し込みが 埋まっている。ところが今すぐ主の腕が動くよう 療治してほしいという武士が現れた。 お梅でなければ駄目なのだと。 武士から「張りつめた者」の気配を 感じ取ったお梅は、 三日後、主のものとへ向かう! 「人は、どこか緩めないと生きていけない」 【著者からのコメント】 江戸の揉み師、お梅の物語、その二作目です。 お梅は、早とちりもするし、とても弱い部分 もある少女です。でも、人の芯に凛とした気迫 を宿してもいます。盲目だからこそ見え、 感じる世界と共に、お梅の凛々しい生き方を 読んでいただけたら嬉しいです。 ■主な登場人物■ お梅 五歳の時に光を失い、人に揉みを 施すことを生業としている十七歳。 十丸 お梅の用心棒。 人には白い大きな犬に見える。 お筆 豆大福が評判の紅葉屋を出している。 揉み仕事の依頼を受けお梅に取り次ぐ。 お昌 両親を亡くし、祖母のお筆と暮らして いる。お梅の仕事の段取りを担う。 先生 お梅に揉み師の才を見抜いた者。人には 白茶の天竺鼠に見えている。 お酒に目がない。
吉原惣名主の川口屋平左衛門に「診てもらいたい」と頼まれた遊女・桐葉は、奇妙な女だった。彼女の言動に疑念を抱いたおゑんは、廓の用心棒・甲三郎や薬草に詳しい末音らの力を借り、その謎に迫ろうとするが…。
ひりつく男と男。ニヒルな同心・木暮信次郎×元刺客の商人・遠野屋清之介。尋常ならざる者たちの本性に迫る。『遠野屋』を次々と襲う不穏な動き、血の臭い、底なしの闇。炙り出される真実とは?
都市再開発計画の名のもとに首都が七つのゾーンに区切られ、格差社会化が進む2032年の日本。web情報誌“スツール”の記者・明海和は、独自に子ども狩と人身売買の取材を続けていたところ、カササギと名乗る人物に突き当たる。和が待ち合わせ場所に行くと、そこに現れたのはまだ十代の男性だった。彼は、これ以上取材を続けると「殺されますよ」と警告する。なぜ、子どもたちの取材をすることが危険なのか?なぜ、国際的なモデル都市でストリートチルドレンが生まれるのか?和は、自身の父も“闇の子どもたち”の取材をしていたことを明かすが…。格差社会の闇に切り込む、ディストピア長編。
物乞い稼業の少年・信太が、実入りの少なかった日、仲間のおみきに連れられて“えにし屋”を訪ねてきた。ちょうど同じ頃にやってきたやけに疲れて見える夫婦は、五年前に行方知れずとなった、生きていれば八つになる息子の平太を探してほしいという。今になって、何故。お頭の才蔵に望み薄と呆れられつつ、彼らが抱えるなにがしかに揺さぶられるお初。交差する謎と深まる闇。傑作時代長篇サスペンス。
十二歳で離れた故郷の島へ、槇屋深津は二十年ぶりに帰ってきた。島の小・中学校の臨時教諭になるためだ。週に二便しかないフェリーで鹿児島港から十二時間。外食する店もない外周十五キロほどの島。同僚や子供たちは深津を歓迎するが、小学四年生の宇良だけ現れない。人の善悪を見抜き、どちらかわからないうちは、姿を見せないという。深津は悪寒を覚えた。二十年前の事件の記憶がよみがえるー
深川の縫箔(刺繍)屋・丸仙の娘、おちえの竹刀が盗まれた。おちえの父が大店のため縫い上げた花嫁衣裳にも不穏な影が忍び寄る。剣を捨てた職人・一居も気づけなかった賊の正体は!?おちえにも突然求婚者が現れ…風雲急を告げるシリーズ第3弾!
申し込めば半年待ち。評判のお梅の揉み治療だが一刻の猶予もない患者が現れた!頭風に苦しむお清を訪ねたお梅はギリギリのところまできていると感じ取る。揉みはじめると、お清の身体に潜む「淀み」を感じー。彼女を悩ませるその原因とは?読むと身も心もすぅっと軽くなる、連作時代小説。
ニヒルな同心、木暮信次郎×元刺客の商人、遠野屋清之介。消えた信次郎の謎。火傷の痕をもつ死体。泡銭を夢見る者たち。因縁の二人の行きつく先は?男と男の感情がうねり合う、これがあさのあつこの金字塔!
地方都市で暮らす三上咏子は、縫製工場でパートとして働きながら、高校生の翔琉と小学生の紗希、夫の丈史と平凡な毎日を送っていた。ある日の夕方、駅近くの商業施設から白い煙が上がるのを目撃。近くの塾に通う息子が気になり電話を掛けるが、「誰かが爆弾を仕掛けたテロだ」と興奮して語る様子に違和感を覚える。翌日、今度は市立図書館でも同様の事件が発生。いったいなぜこの町で、こんなことが?咏子は今まで気にも留めなかった、周囲の異変に気がついていく…。
同心・木暮信次郎×商人・遠野屋清之介ー亡き母の過去を探る信次郎。商いに生きると決めた清之介。事件は、殺された夫婦の驚愕の死に顔から始まった。もっと異形、もっと歪、もっと奇怪。「弥靱」シリーズ第十作目。
ある縁談に秘められた切なる祈り…浅草の油屋、利根屋の娘・お玉と、本所髄一の大店の主人との縁談が持ち上がったが、見合いの前日にお玉は置手紙を残していなくなってしまう。利根屋の命運を賭けて、身代わりとなったのは奉公人・おまい。当日、“えにし屋”を名乗る謎めいた女が現れて、おまいは美しく着飾らせてもらうが、その後もお玉の行方は一向に掴めないままだった…。縁を商いとするひとびとの物語。
16歳の夏、私は彼女に出会った。引っ込み思案な高校生・鈴美の前に現れた、凛とした雰囲気をまとう同級生の比呂。自分と全く違う彼女に圧倒された鈴美は、その背中を追い始める。