小説むすび | 著者 : サラ・マロリー

著者 : サラ・マロリー

伯爵の知らない妻伯爵の知らない妻

つかのま“伯爵夫人”でいることを、 どうか、ゆるしてください。 アラベラは今、ウェストレイ伯爵夫人になりすましていた。 新婚早々、夫が亡くなり、その不審な死の真相を突き止めるには、 正体を隠して関係者に近づく必要がどうしてもあったのだ。 最近、爵位を継いだ新伯爵は海外にいるというから問題ないはずよ。 6年ぶりに祖国イギリスの地を踏んだ新伯爵ランドルフは、 領地を訪れたとき、使用人の言葉に耳を疑った。「奥様がお留守で……」 奥様だと? 未婚のぼくに、妻などいるはずがないが? いぶかしんだ彼は、“伯爵夫人”が出かけたという館を訪れ、 華やかなドレスに身を包んだ見知らぬ美女アラベラを見つけーー 「ご主人があなたを捜しに来たわよ」そう言われ、振り返ったアラベラが目にしたのは、獲物を捕らえたかのような喜びの笑みを浮かべたウェストレイ伯爵でした。あまりに予想外の展開に、彼女は気を失ってその場に倒れ込み……。『子爵を愛した壁の花』の関連作。

薔薇の伯爵とワルツを薔薇の伯爵とワルツを

地味で冴えない付添人のフィーには誰にも言えない秘密があった。今シーズン、ロンドンじゅうの母娘を色めき立たせている戦場帰りの伯爵ネイサン・キャラウェイー彼はフィーの夫なのだ。5年前、動乱のスペインで彼と出会い、請われるまま結婚した翌朝に彼の恋人を名乗る美女が現れ、傷ついたフィーは逃げだしたのだった。だがある日、彼女が身を寄せる親友の屋敷を偶然ネイサンが訪れる。隠れ見た彼の麗しく精悍な姿に、フィーの胸は痛いほど高鳴った。あの人の腕に抱かれたいーせめて、もう一度だけ。親友の手で謎めいた美女に変身し、フィーは仮面舞踏会に赴いた。彼に正体を見破られ、領地に連れ去られるとは夢にも思わずに。妻が逃げた理由を知らないネイサンに激怒され、さらに深く傷つくフィー。一途な想いを告げられぬまま、二人は再び生き別れて…。引き裂かれた愛、運命の再会、忘れ得ぬ情熱ー密やかな恋の微熱が伝わるような、切なくも美しいリージェンシー・ロマンス。

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