著者 : シャンテル・ショー
ギリシア人大富豪の愛人となった母に連れられ、 ルイーズは少女のころからよくエーゲ海の小島にある邸宅を訪れた。 富豪の息子ディミトリは家庭を壊した彼女の母を憎み、 冴えない娘のルイーズにいたっては目もくれなかった。 彼の甘い言葉に誘われて身を捧げた、19歳のあの日までは。 喜びも束の間、あなたは復讐の道具にされたのよと母に教えられ、 ショックを受けたルイーズはお腹に宿った命にも気づかず、 一刻も早く島から逃げようとボートに飛び乗ったのだった。 7年後、ルイーズは重い病をわずらった母を助けるため、 二度と会いたくなかったディミトリのもとへと向かう……。 母のことを娼婦と蔑む悪魔のような男性、そして、少女のころから密かに想いを寄せていた初恋の人ーールイーズにとっては、ディミトリは時を経てもなお心をかき乱す大きな存在でした。
美女と戯れることしか頭にないプレイボーイーそう噂に聞く億万長者ジャレクを担当することになり、臨床心理士のホリーは困惑していた。案の定、彼は理由をつけては面談をキャンセルし、好き放題に振る舞っていた。だがある日、ジャレクのせいでホリーは雪崩に巻きこまれ、山小屋で一夜を明かしたのを境に、彼と心の距離を近づける。ジャレクを夜ごと苦しめている悪夢から救ってあげたい。そして失われた5歳以前の記憶を取り戻すことができたら…。そんなとき、ホリーは彼の出自について驚くべき情報を耳にする。
あの夜、天使を授けてくれた彼が 血も涙もない大富豪だったなんて。 「子供の父親が僕だと言い続けるなら、君を名誉毀損で訴える」 1年ぶりに会ったコルテスの瞳の冷たさに、エリンは凍りついた。 迷うことなく純潔を捧げた魅惑の恋人はどこへ行ったの? 私は彼への想いを胸に、必死に息子を産み育ててきたのに……。 相変わらず強烈な彼の魅力に心乱されるエリンをよそに、 コルテスはDNA鑑定で親子関係が証明されると 母子をプライベートジェットでスペインの屋敷へ連れ去った。 ひたむきに息子を愛するエリンの素顔を見ようともせず、 金目当ての俗悪な女と決めつけたまま。 大金と引き換えに息子を置いて去れという要求をエリンが拒絶すると、コルテスは結婚を迫ります。別人のように優しくなった彼とのめくるめく蜜月の果て、ある出来事を機に再び愛は壊れだして……。繊細かつドラマチックなシンデレラ・ロマンスをご堪能ください。
その夜、ローレンは愛するラモンに妊娠を伝えるつもりだった。ところが二人の将来に話を向けたとたん、衝撃の事実を告げられた。ラモンは実はさる巨大コングロマリットの総帥であり、さらにはスペインの公爵家の跡取りだというのだ。いずれ貴族の血を引く“ふさわしい女性”を花嫁に迎える、とも。ローレンは、何も言えずに彼のもとを去るしかなかった。1年半後、育児と仕事に忙殺されるローレンの前に、ラモンが再び現れるー愛人として戻ってこいというのだ。怒りと屈辱と、愛し子の存在を知られる恐怖にローレンは震えた。そして、勝ち誇ったようにキスをするラモンへの、今も消えぬ愛に。
サラはこの2年、ギリシア富豪アレコスの秘書を務めている。たくましい長身、豊かな黒髪、官能的で美しい唇ーそして、指を鳴らせば女性が寄ってくると信じて疑わない傲慢さ。うぶで真面目なサラでさえ、彼には密かに胸を焦がしていた。ありとき一大決心をしたサラは、長期休暇の間に体重を落とし、地味な服と眼鏡を捨てて、洗練された装いで職場に復帰した。数日後、彼に激しくキスをされ、サラは夢にまで見た唇に溺れた。アレコスの望みはいつもと同じ、つかの間の愛人だけ…。そうささやく心の声には気がつかないふりをして。
“イタリアのプレイボーイ”と名高い大富豪レアンドロに勤め先のバーで見初められ、マーニーは彼と同棲を始めた。昼夜を問わず求めてくる彼との、めくるめく愛の営みーだが、彼は決してマーニーを公の場に同伴しなかった。1年が過ぎ、ふたりの関係に疑問を感じ始めた矢先、ふとした諍いから彼が発した言葉にマーニーは衝撃を受ける。きみは愛人だ。この先ぼくの妻になることはない…。深く傷ついたマーニーはレアンドロの屋敷をあとにした。お腹のなかに新たな命が宿っているとは夢にも思わずに。
父は行方不明、貯金も底をつき、さらに火事に見舞われて、サブリナはついに代々受け継いできた屋敷の売却を決意した。そんな折、意外な人物が屋敷を訪ねてきた。クルス・デルガド!かつて父に雇われていた貧しい青年は、その後仕事で成功を収め、今では大富豪として名を馳せている。10年前、二人は恋人同士だった。だがサブリナが妊娠し、その後流産したことがきっかけで、いつしか心は離れていった。いまサブリナの窮状を聞き、クルスはすぐに資金援助を申し出た。彼女が半年間の愛人契約に従うなら、という非情な条件つきで。