著者 : シン・ギョンスク
悲しみではなく美しさを、拘束ではなく自由であることを 冷笑ではなく憐れみであることを、倒れることではなく起き上がることを 恋人との逃避行を前に故郷の村に帰った「私」が、幼い頃家族に起きた出来事や揺れる思いを彼に綴った書簡形式の表題作をはじめ、百編余りの短編からシン・ギョンスク自身が「胸の内をすべて見せるように」選んだ七編を収録。 ここに登場するのは、さまざまな傷を負い、あるいは困難な状況に直面する人たちだ。 彼らの悲しみ、苦しみに寄り添い、人を愛することの切なさを情感豊かに描く美しい物語が静かに、熱く、胸を打つ。 庭に関する短い話 草原の空き家 鳥よ、鳥よ オルガンのあった場所 彼がいま草むらの中で ジャガイモを食べる人たち 暗くなったあとに 作家のことば 訳者あとがき
<b>月が満ち欠けしながら夜空をそっと照らすように、 静かに心をほぐしてくれるささやかな26の物語</b> ベストセラー作家シン・ギョンスクが、月に私たちの物語を語りかけるように軽やかに紡いだショートショート集。 物語の世界と響き合う挿画とともに、オールカラーで刊行。 「自分が一人ぼっちだと思ったり、思いがけないことがあなたの心をかき乱していった時に、何より自分がどうしてこうなのかと思う自責の念や、せいぜいこの程度かという諦めがあなたの瞬間に押し寄せてきた時に、この26編の物語が月明かりのように沁み込んで、あなたを光らせることができたらうれしいと思う」 (作家の言葉より) 一部 三日月に ほら、愛してるんだろ?/冬越し/神様の靴/おまえ、トウモロコシか!/ Jが発ってから/ある、新年の挨拶 二部 半月に 風景/Kに起こったこと/ある郵便配達人の話/ネコ男/ 私たちがきれいだと言われた時/鼻クソの話/ 見知らぬ人に書く手紙 三部 十五夜の月に シカを捕まえるって?/人生修行/私が子どもだった頃も/ Yがどうしてタバコをやめたか知っている人は?/ サンチュの種を蒔かなくちゃ/エスプレッソ 四部 つごもりの月に や〜らなきゃ帰ると思うてか〜 そ〜う言えばくれると思うてか〜/ 春の雨降る日/QとA/彼のために/海辺の郵便局にて/ 花梨の木を守る/愛すべきおばあさんたち 作家の言葉 訳者あとがき