著者 : ジャック・カーティス
ケイトは男の前で平然と服を脱ぎ、裸身を浴槽に沈めた。男がケイトの頭を水面下に押しこんだとき、彼女は何が起きたのか理解できなかった。なぜなら、彼女は盲目ではないのに、男の姿が見えなかったからだ。-ロンドンの銀行に勤務する女性プログラマーが入浴中に溺死した。警察は自殺と断定。疑問を抱いた同僚のローラは、私立探偵のディーコンに調査を依頼した。やがて第2第3の殺人が起き、姿なき犯人は異常な性格を露にしてゆく。果たして現場に残された“グローリー”という血文字は何を意味するのか?サイコ・サスペンスの野心作。
厳格すぎる父親の影響で、異常な性向を強めていった男、アラダイス。彼は次の犠牲者にローラを選び、執拗な脅迫を繰りかえす。一方、ディーコンは殺害されたプログラマーが死の直前、銀行のコンピューターに異常を発見していたことをつきとめた。どうやら銀行はプログラムを細工して、不正な操作を行っていたらしい。だが、そのディーコンにも何者かの魔手が忍びよってきた。しだいに広がる事件の環を追うディーコンとローラは、やがて大西洋を狭んだ多国籍企業の野望を知る。俊英がサイコ・サスペンスと謀略小説を融合させた迫真の力作。
元駐米英国大使館員サイモン・ガーニーは、フリーの人質救出業を始め、誘拐事件解決のプロフェッショナルとしてとみにその名を知られていた。孤独を愛する彼は、ふだんはイングランドの森の一軒家で、瞑想とランニングを生活の一部に取り入れて、愛犬とともにひっそりと暮らしていた。そんな彼のもとへ、イタリアの大富豪チェーザレ・パスキーニが仕事を依頼してきた。誘拐された息子のデイヴィッドを救出してくれという。デイビィッドは超能力を持った十七歳の少年で、しかも犯人側は一千万ドルという巨額の身代金を要求してきていた…。
誘拐された超能力少年デイヴィッドを救い出そうと、サイモン・ガーニーはアメリカへ飛んだ。少年はパスキーニと離婚した米国人の母親と八歳のころから合衆国東部に住んでいた。だが犯人側は、少年の身柄をイギリスへ移したと告げてくる。ロンドン入りしたサイモンは次第に誘拐事件に疑問を抱きはじめ、調査を開始。-事件の背後には英米の情報部がからんだ国際的な陰謀が隠されていた。追われる立場となった彼は、果して少年を救い出すことができるのか、CIAが超能力者にさせようとした計画とは…?英国に出現した話題のサスペンス巨篇。