著者 : スカーレット・ウィルソン
彼にも楽しいクリスマスを 過ごしてほしかっただけなのに……。 ロンドンの超高級ホテルで客室係として働く派遣メイドのグレース。 クリスマスも近いある雪の日、いつもとは違う部屋の清掃を任され、 初めて足を踏み入れたのは最上階のスイートルーム。 ホテルのオーナーで美貌の大富豪フィンリーが使っているらしい。 壮観な眺めを誇る室内に入ると、彼の旅行かばんが置かれていたので 中身を片づけていくうち、ツリーに飾る天使の像が出てきた。 きっと彼は家族と離れてクリスマスを過ごさないといけないのかも……。 母に捨てられ、代わりに育ててくれた祖母も1年前に亡くした私みたいに。 せめて、この洗練されているけれど冷たい空間をクリスマスらしく 温かい雰囲気にしてあげようと、グレースは一生懸命に飾りつけをした。 フィンリーから罵声を浴びせられ、涙を流すことになるとも思わずに。 フィンリーが怒ったのは、亡き妻を思い出させるクリスマスが嫌いだからでした。解雇を仄めかされたグレースは、祖母がいないだけでもつらいクリスマスなのに、家賃も払えなくなったらどうしようと震えます。ところが怒りの爆発の後で彼はなぜか優しくなり……。
言えない。絶対に言えない。 彼の知らない、小さな宝物のことは。 アイリスは幼くして親に捨てられ、子供のいない夫婦の養女となるも、 養父母に悲願の実子が生まれると厄介者扱いされるようになった。 愛のある家庭に人一倍憧れたアイリスは、23歳でラクランと結婚した。 しかし子供ができず、養子を迎えようという夫の提案も、 不遇な養女だった自らの過去を告げられぬまま拒み、離婚したのだった。 あれから8年。今、アイリスが働く病院に、 3カ月の短期契約で新しくやってきた医師に、彼女は驚いた。 離婚以来ずっと音信不通だった元夫、ラクランが現れたのだ! アイリスの胸はちくりと痛んだーー彼と家族になれなかった過去に。 そして、今は独りで7歳の愛娘を育てているという秘密に。 心の機微を巧みに描き、最後には読み手をほろりとさせる物語で大人気のS・ウィルソンの感動作をお贈りします。8年前と変わらずハンサムで誠実なラクランと再会し、二人の時間を過ごすうち、アイリスは彼を愛している、いや、ずっと愛していたことに気づき……。
別れた愛しいあの人は知らないーー 彼によく似た子をわたしが育てていることを。 美しい海辺の小さな町の病院で働くアビーは、 救急科に駆けこんできた医師を見て呆然とした。ルーク……! 二人は学生時代に知り合い、深く愛し合っていた。 けれど5年前、ルークは病気の後遺症で子供を作れないことを理由に、 アビーに別れを迫った。彼とはもう違う人生を歩み始めたはずなのに。 まさかまた会うなんて、夢にも思わなかった。 聞けばルークは、身重の患者が旅先のこの町で突然破水したので、 しばらく滞在して付き添うことになったという。彼は驚くだろうーー わたしの家に、淡いブルーの瞳とプラチナブロンドの髪をした、 彼にそっくりな4歳の男の子がいると知ったら……。 胸震わす感動的な作風で、2015年にデビューを飾り、またたく間にHQイマージュの人気作家となったスカーレット・ウィルソン。再会した彼がまだ独身だと知ると、ヒロインの心は揺れて……。
真夜中に銀色の靴が脱げたとき、 わたしの恋は終わったはずだった。 アニッサはスイスの高級スキーリゾートで働くメイド。 ある日、スキーで転倒し、通りかかったレオに助けられる。 彼の優しさに感激し、一夜限りと知りつつ身を任せた彼女だが、 数日後、彼に偶然再会してしまうーー今度はメイドと客として。 レオがとんでもない億万長者だと知ってアニッサは臆するが、 NYでクリスマスを過ごそうと誘われ、戸惑いながらも受け入れた。 昼はともに観光、夜は彼のペントハウスで夢の時を過ごしてーー でも、これはシンデレラの夢。もうすぐ12時の鐘が鳴るわよね……。 そして、予感は的中した。ある日レオはクレジットカードを投げつけ、 ドレスでも買えと言うなり、彼女を置き去りにしたのだ。 レオが急に冷たくなった理由とは? 富豪一族の一員だと突然知らされた彼とその弟妹の事情は、本作から始まる3部作〈カッターネオ家のクリスマス〉を通してお楽しみください。イマージュの人気作家3名が肩を並べる競作ミニシリーズです!
クリスマスツリーを買いに来た家族連れ。 わたしたちもそうなれたら……。 ロンドンの病院で働くエイプリルは、 数週間だけの予定で赴任してきた魅力的な医師のライリーを避けている。 がんで命を落とした双子の妹と同じ遺伝子を自分も持っているから、 男性に心を奪われ、ともに歩む未来を夢見てはいけないのだ。 それに、もうすぐ予防手術を受け、子どもを産めない体になる……。 ところが、ライリーの赴任期間が終わる日に驚くべき知らせが届いた。 元恋人の女性が事故で亡くなり、 別離後ひそかに出産して育てていた5歳の息子が遺されたという。 その場に居合わせていたエイプリルは愕然とするライリーに頼られ、 彼とその息子との新たな生活に深く関わっていくことになり……。 S・ウィルソンは胸が震える物語を次々に贈ってくれる作家です。魅力の塊のような医師ヒーローと、彼に心を奪われながらも頑なに距離を置こうとする理学療法士ヒロイン。はたして二人のロマンスのゆくえは? イギリスのクリスマスの雰囲気もご堪能ください。
私の不幸続きの人生に訪れた、 一縷の望みだったのに……。 フィービは病を抱えた母の治療費を工面しなくてはならず、 イタリア人大富豪マッテオのひどく傲慢な口調に反感を覚えつつも、 彼が所有する由緒ある豪邸2軒の改装を引き受けた。 場所は、ここニューヨークとローマ。 航空機事故で婚約者を亡くして以来、飛行機に乗れずにいたが、 マッテオの支えでどうにかローマに降り立つことができた。 彼の意外な優しさに、フィービの胸にえもいわれぬ感情が芽生えた。 いつかまた人を愛せる時がくるのかと思っていたけれど、これは……。 だが期待もむなしく、その後、マッテオは連絡を断つのだったーー 飛行機に恐怖を感じる彼女を、異国に独り残したまま。 イマージュで大人気を博している作家スカーレット・ウィルソンが描く、切なくも美しいシンデレラストーリーです! 不幸や苦労の連続だったフィービの人生に、ある日突然現れた不機嫌な大富豪。いかにもイタリア人男性らしいマッテオの魅力をご堪能ください。
子供を手に入れたい彼にとって、 わたしは元妻の“代用品”……。 リリーは学生のころ、不妊クリニックへの卵子提供の報酬により、 高額な学費ローンを返済することができた。 無事に卒業を果たし、夢だった看護師となった彼女のもとに、 ある問題を抱えた医師カーターが現れる。「君の卵子のことで話がある」 聞けば、彼の精子と彼女の卵子を使った受精卵が取り違えられ、 現在妊娠中の女性と話し合いをすることにしたらしい。 彼は自分の遺伝子を受け継ぐ子供をぜひ手に入れたいと、 今は別れた元妻に代わり、リリーに口添えしてほしいというのだ。 出会った瞬間からカーターの虜になっていた彼女はみずからを戒めた。 彼はわたしを都合よく利用したいだけ。恋心なんて抱いてはだめよ。 涙なくして読めない感動の物語に定評のあるスカーレット・ウィルソンが贈る、作家競作2部作〈しあわせの絆〉の第2話。アン・フレイザー作の第1話『財閥富豪と孤独な聖母』のヒロイン、オリヴィアのお腹のなかの子をめぐる問題の裏で起きていた恋と煩悶の物語!
大富豪の逆鱗に触れたメイドは、 降り積もる雪に涙を落とした。 あと少しでクリスマスを迎える冬のロンドンで、 派遣メイドのグレースは超高級ホテルの客室係として働いていた。 ある雪の日、いつもとは違う部屋の清掃を任され、 はじめて足を踏み入れたのは最上階のスイート。 ホテルのオーナーである美しき大富豪フィンリーが使っているという。 壮観な眺めを誇る部屋に入ると旅行かばんが置かれていたので、 中身を片づけていくうち、奥からツリーに飾る天使の像が出てきた。 洗練されているけれど冷たい感じのこの部屋をクリスマスらしくしたら? そう思いついたグレースは即座に行動し、完璧な飾りつけをした。 フィンリーから罵声を浴びせられ、涙を流すことになるとも思わずに。 富裕な顧客向けに派遣されるメイドたちのロマンスを描く、作家競作シリーズ〈メイド物語〉。よかれと思ってした行動でフィンリーの心のかさぶたを剥がしてしまったグレース。怒りの爆発のあとで彼が示した優しさの意味は? 次回最終話はジェシカ・ギルモア作。
この身に小さな命が宿ったと知ったら、 彼の心は戻るのか、遠ざかるのか……。 幸せいっぱいだったアディソンの結婚はいま、岐路にあった。 情熱的な恋愛をへて結ばれたはずの夫ケイレブは、ここ数年、 莫大な財を築く一方で、家庭をないがしろにする仕事人間になり果てた。 思い悩んだすえ、彼女は結婚の存続をかけて旅行の計画を立てる。 南の島でゆっくり過ごし、愛がよみがえるか確かめるのだ。 はじめこそ反対して怒りを示していたケイレブだったが、 やがて美しい景色を背に息子と戯れる彼の姿に、アディソンは安堵した。 でも、問題はこれから。わたしのおなかには新しい命が宿っているーー そして、2人目の子供はいらないと明言する彼には伝えられずにいる。 息子の誕生に涙を流した在りし日の彼を、どうしたら取り戻せるの? 2部作〈愛しの億万長者〉の第2話で、前作『シンデレラの最後の恋』と同時進行する、結婚の危機を描いた物語です。心が離れた夫との離婚も脳裏をよぎるなか、妊娠に気づいたヒロイン。ベビーの存在は愛をつなぎとめるのか否か、ドキドキの展開から目が離せません。
愛されなくてもいい。一夜だけ、 あなたのシンデレラになれれば。 自分に自信のないララは、ある日、絶望の淵に突き落とされた。 恋人の裏切りを目撃し家を飛び出したら、どしゃ降りに見舞われたのだ。 よるべのない彼女は身も心もぼろぼろになり、 やむなく雇い主夫妻を頼って、ナニーとして働く屋敷を訪れた。 運よく、夫妻が休暇旅行で留守にするあいだ滞在を許されるが、 そこには思いがけない人物がいたーー雇い主の親友で大富豪のルーベン。 彼も事情があって一時的にこの屋敷に滞在しなければならないという。 こんなにハンサムな男性と二人きり、一つ屋根の下で過ごすなんて! だが、ララは思わず覚えた胸の高鳴りを戒め、もう恋はしないと誓った。 片や取り柄のないナニーと、片や大富豪……分不相応な恋ならなおさら。 2016年度RITA賞の最終候補に2作品同時にノミネートされた、飛ぶ鳥を落とす勢いの実力派作家スカーレット・ウィルソン。その2部作〈愛しの億万長者〉の第1話をお届けします。失恋したヒロインを癒やす、大富豪の甘い甘い誘惑をお楽しみください!