著者 : スーザン・メイアー
なかったことになんかできない。 私の想いも、授かった小さな命も。 ローマにできたばかりの新しいホテルで働くエレノラ。 オープニングパーティの夜、直属のボスでホテル王のマルコへの 長年の片想いがようやく報われ、情熱の一夜を過ごした。 愛しい人の肌のぬくもり……この瞬間を、私はずっと思い描いていた。 だが翌朝目を覚ましたとき、マルコの姿はすでになかった。 早朝の便でNYへ帰ったのだと知った数日後、彼から電話で、 きみと過ごしたあの一夜は間違いだったと謝罪された。 2カ月後、エレノラは彼の薄情な言葉を思い出し、ぎゅっと目を閉じた。 身ごもってしまったのだーーマルコの子を。 部下と過ごした一夜をなかったことにしたがっているボスの子を。 老舗ホテルグループを持つ大富豪マルコと、彼に20年以上も密かに憧れ続けてきたエレノラの、甘酸っぱくてもどかしいロマンスをお贈りします。クリスマスの装いをしてまぶしいほど煌めくNYを舞台に、予期せぬ妊娠に揺れる二人の心模様が巧みに描かれています。
大富豪マックスとケイトは、誰もが羨む理想の夫婦だった。しかし、尊大で高圧的な父親との不和に悩むマックスがしだいに人が変わったようになり、ケイトは耐えきれず家を出た。まだ彼に知らせていないお腹の子のために、できるだけ遠くへ。時が過ぎ、ケイトは入院中の家族を見舞いに訪れた病院で偶然、マックスと8年ぶりの再会をはたす。怒られるのではないかとケイトは恐れおののくが、彼は初めて恋した頃の、穏やかな自信あふれる男に戻っていた。でもマックスの魅力に屈してはだめ。だってわたしには秘密が…。そのときエレベーターの扉が開き、7歳になる娘が走り寄ってきた!
「起きろ!ぼくの別荘でいったい何をしている?」リーズが驚いて顔をあげると、目の前に初恋の人がいた。12年前より背が高く、たくましくて魅惑的なケイドー彼はいまや成功した実業家で、わたしとは別世界の住人だ。その証拠に、フロリダのこの高級リゾート一帯は彼のものだという。たがいに戸惑いながら言葉を交わすうち、ケイドの父親によって引き合わされたのだと気づいたときには、ふたりは嵐のせいで彼の別荘から出られなくなっていた。1週間の間だけーそう自分に言い聞かせ、リーズは夢見ることにした。美しく静かなこの場所で、かなうことのない愛の続きを。-すべてを忘れて、昼夜を問わず自由奔放に愛し合うふたり。やがてケイドが愛を告げ、リーズはかつて彼のもとを去った理由と秘密をついに告白せざるを得なくなり…。救いのない世界で生き延びた乙女の、切なくも美しい恋物語。『孤高の富豪を愛したら』関連作。
トスカーナのワイナリーを父親と切り盛りしていたマルシアは、元婚約者に資金を持ち逃げされ、絶望のどん底に突き落とされた。経営難に陥ったワイナリーを家屋敷ごと買い取り、引っ越してきた新オーナーは、アメリカの大富豪トレイス。マルシアは1年間、彼の下で働くことになった。ワイナリーの付属品として買われたも同然の状況だったが、自分のせいで家族が失業し、住む家を追われたという罪悪感から、マルシアは身を粉にして働き、夜はトレイスに料理もふるまった。しかしある夜、ふいに唇を奪われた瞬間、否応なく気づいてしまう。ひとつ屋根の下で暮らすには、彼は魅惑的すぎるということに。
この人とふたりきり、修復中のホテルで夜を明かすなんて。大雪のせいで仕事の現場から帰れなくなったエリンは、ささやかな夕食と憧れの男性を前に、信じられない思いだった。セクシーな独身主義の大富豪ヒューゴ・ハリントンー彼を最重要顧客とするイベントプランナーのエリンは、この2年半、ひそかな想いをひた隠しにしてきた。幼子を独りで育てる母親にとって、この恋は危険すぎるから…。しかしエリンは、魅惑的な灰色の瞳にとらわれたまま、突然の口づけをなすすべもなく迎え入れる。夢のような一夜を境に、エリンは彼の一挙一動に振り回されて…。
4年前、ミッシーは夫に捨てられ、幼い三つ子を抱えて途方にくれた。母はすでに亡く、酔いどれの父に頼ることもできないなか、ほそぼそとウエディングケーキ作りの仕事をして暮らす毎日だ。そんなある日、隣家にたくましくセクシーな男性がやってきた。ハイスクール時代、親切に勉強を教えてくれたワイアット。魅力的な大富豪となった彼の変貌ぶりに、ミッシーは密かに息をのんだ。と同時に、ワイアットから卒業式後のデートに誘われていたのに、父にドレスを汚されて行けなかった哀しい思い出もよみがえる。今や男性不信になってしまったミッシーは恋など求めていなかったが、子供たちに優しく接するワイアットを前に、胸がときめいて…。
子供好きなマーニーは、住み込みで幼児の世話をするナニーとして、弁護士ダニー・マネッリの豪壮なペントハウスで働けることになった。12歳で父に捨てられてから、病の母を支えて貧しさに耐え、苦学してようやく大学を卒業した甲斐があった。将来、ナニーの派遣サービスを始めるという、夢の第一歩。ダニーと2歳の息子ともすぐに仲よくなり、順風満帆に思えた。ところが、このハンサムな雇い主は未婚で妻がおらず、しかも最近、彼の実父が悪名高き大富豪と判明したことを知ると、不安に苛まれる。実はマーニーには、名前を変えてまで隠している悲しい事情があるのだ。世間の注目を浴びれば彼に迷惑がかかると考え、身を引こうとするが…。
私を妊娠して捨てられてもなお、父を想い続けて一生を無駄にした母。そんな母を見てきたので、シャーロットは恋愛に臆病になっていた。ある日、父の突然の事故死で、莫大な遺産を継ぐことになり、シャーロットのもとに警備会社経営の大富豪ジェイスが派遣されてきた。たくましくて男らしい、黒い瞳と髪を持つ端整な彼に、思わず胸が高鳴る。だが、働きながら大学院に通い、苦学の末に社会に出た芯の強い彼女には、護衛は必要なかった。疎遠な父の遺産なんて放棄するつもりだから。一方ジェイスにとっても、守るべき相手との特別な関係は禁忌だった。惹かれ合うはずのないシャーロットとジェイスだが、相続の話し合いのためNYへ向かう機上、唇と唇が触れ合い…。
父を知らず、やがて母とも別れ別れになったレニは、8歳のときに施設から引き取ってくれた養父母に感謝していた。ウエイトレスをしながら大学に通い、今は卒業したばかりだ。クリスマスが近いある日、レニの働く店に、NYからニック・クラキスという実業家が訪ねてきた。こんなに洗練された人がこの田舎町へ、いったい何をしに?すると彼は、知人だった亡き大富豪がなんとレニの実の父親で、血縁が証明されれば、君は莫大な遺産の相続人になる、と告げた!戸惑うレニだったが、養父の医療費のため、ニックとNYへ飛んだ。美しくも、どこか陰りを帯びた彼の虜になってしまうとも知らず。
兄の結婚式の最中だというのに、サブリナは気もそぞろだった。ついさっき、妊娠していることがわかったのだ。調子がいいだけで不実なお腹の子の父親とは、別れたばかり。どうしよう…。困り果てたサブリナの前に、救いの神が現れた。兄の親友トレントが彼女の異変を見て取り、力を貸すという。元恋人に妊娠を告げ、一人で産み育てると伝える気のサブリナをトレントは自家用ジェット機に乗せ、パリへ向かった。ところが元恋人は不在。途方に暮れて二人で行方を探るなか、男らしいのに気が利くトレントに、サブリナはおのずと惹かれた。だめよ、シングルマザーになる私に、恋する資格なんてないもの!
1年前に他界した夫が莫大な借金を残したと知り、生後3カ月の娘を抱えたハーパーは途方に暮れていた。家を明け渡すまで、路上生活者になるまで、あと1週間。どうにもできず、恥を忍んでハーパーは亡き夫の親友を訪ねた。セス・マッカランーニューヨークきっての億万長者は、どきっとするほどハンサムな、夫の昔のルームメイトだ。当時、隣人だったハーパーは、彼のこともよく知っていた。驚いたことにセスは、しばらくうちで暮らせばいいと言う。華麗なる独身貴族が、一文なしの母親と乳飲み子と同居する?きっとすぐに追い出されるけれど、ほかに方法もなくて…。
大富豪のジェイクと出会って恋に落ちたエイヴリー。だが、実業家の彼はニューヨークでも有数の億万長者で、3週間の逢瀬で身分の違いを痛感し、自ら終止符を打ったのだった。半年後、エイヴリーは偶然ジェイクと再会してしまう。目立ち始めたおなかはすぐに気づかれ、僕の子かときいてくる。変わらずセクシーな彼は、その切れる頭で戦略を練っているみたい。でも私の子が、愛も温もりもないお金持ち家庭で育つなんていや。迷惑をかけるつもりはありません、と告げるエイヴリーに、いらいらした様子でジェイクは言った。「いくらだ?」やっぱり思ったとおりね、子どもまでお金で買えると思うなんて!
高圧的な父のもとで従順に育ったモーガンは、常に敷かれたレールを歩み、結婚相手さえも強引に決められてしまった。でも、わたしももう25歳。人生の一大事くらい、自分の意志を貫きたい。モーガンはありったけの勇気を振り絞り、教会の祭壇に向かう途中で逃げ出した!ところが、そんな彼女の前に、一人の男が立ちはだかるー父の取引相手であるスペイン人大富豪リカルド・オチョア。モーガンの父から、娘を連れ戻すよう頼まれたという。異国の魅力を漂わせる美しい彼に、彼女はときめきを禁じえなかった。だが彼にとらわれたら最後、望まぬ結婚に舞い戻らなければならず…。
広報部で働くモリーはこの4年、上司のジャックに片思いをしていたが、ただの部下としか見られず、切ない気持ちを胸の奥に隠してきた。頭では密かに、彼の花嫁になった姿を思い描きながら…。会社でパーティが開かれたある日のこと、モリーは憧れのジャックからダンスに誘われ、うっとりしながら彼に身を預けた。そのとき、周囲で突然起きた喧嘩に巻きこまれ、モリーは転んで頭を強く打ってしまう。大事をとってジャックの家に運ばれるが、目覚めたとき、彼女は信じきっていたー自分はジャックの妻なのだ、と。
里子だったライラがスペイン人大富豪ミッチの秘書になって1年。地味でまじめな彼女は初めて会った日から彼に恋心を寄せてきたが、ボスの目に浮かぶのはいつだって、友達以下の感情しかなかった。思いが募るほど切なさで胸がくるしくなり、もう限界…。そんなとき、ミッチがとんでもない取引を提案してきた。なんでも願いを叶えてあげるかわりに、2週間のあいだ、ぼくの婚約者のふりをして兄の結婚式に同伴してくれないか、と。生き別れた母を捜す資金のため、何より、つらい片思いを諦めるため、ライラは断腸の思いで、いい転職先を紹介してほしいと告げた。そして、愛する彼の婚約者を精一杯演じようと、さえない眼鏡を外した。
名家の御曹司マックスとケイトは、誰もが羨む理想の夫婦だった。ところが、父親の汚いビジネスを継ぐことを嫌ったマックスが怒りを溜めこみ冷たくなり、思い余ったケイトは家を出た。まだ彼に知らせていないお腹の子のために、できるだけ遠くへ。時が過ぎ、入院中の家族を見舞いに訪れた病院で、ケイトは偶然にマックスと8年ぶりの再会をはたす。かつての夫の姿がよみがえり、ケイトは恐れおののくが、彼は初めて恋した頃の、隠やかな自信あふれる男性になっていた。でも彼の魅力に屈してはだめ。だってわたしには秘密が…。そのときエレベーターの扉が開き、7歳になる娘が走り寄ってきた。
「今週、僕につきあってくれたら、いくらでも払おう」大富豪のマットに誘われたのはナニーとしてだと知りながら、養子斡旋所で働くクレアは赤面した。彼はとびきりゴージャスなのだー急死した友人の赤ん坊を引き取りに来て、途方に暮れていてもなお。確かにクレアはこの4日間世話した赤ん坊と別れがたく思っていた。でも、マットと行動をともにして、彼に惹かれずにいられるかしら?仕事中毒の彼に特別な想いを抱けば傷つくのが目に見えているのに…。だが迷った末、クレアは彼の豪邸で住み込みのナニーとして働き始めた。ここにいるのはマットと恋に落ちるためではない、私は一介の使用人なのだと、揺れる心に言い聞かせながら。
グレナディ国の王女付き秘書官のクリステンにとって、アメリカ人の天才実業家ディーンが最後の頼みの綱だった。祖国の景気回復のため、彼の企業を誘致しなければならないのだ。パリのホテルでつかまえた彼は目を奪われるようなハンサムだったが、傲慢との評判どおり無愛想で冷たく、彼女のことなど歯牙にもかけない。恐怖に震えつつも、クリステンは話を聞いてほしいと食いさがった。すると、リムジンの中で聞く、飛行機の中で聞くと言われながら、けっきょく話す機会を与えられないままニューヨークに着いてしまった。そして、振り回され疲れ果てた彼女に、彼は思いがけない提案をするー「10万ドル払うから、今夜僕とパーティーに出席してほしい」