小説むすび | 著者 : ベティ・ニールズ

著者 : ベティ・ニールズ

赤毛のアデレイド赤毛のアデレイド

いつしかこの心を占めていたのは、 あなたの優しい声と、笑顔でした。 イギリスとオランダの病院間で人事交流が行われることになり、 赤毛が印象的な小児科の看護師、アデレイドが推薦される。 オランダから候補者を視察しに来たファン・エッセン教授も、 彼女の献身的な働きぶりを見て、ぜひ来てほしいと声をかけてくれた。 無口だけれど、魅力的な声で完璧な英語を話す彼……。 長身で、笑うと得も言われぬすてきな表情になるハンサムな人……。 アデレイドは気づけば教授のことを考えてしまう自分を戒めつつ、 彼の役に立って喜んでもらいたい一心で、オランダ行きを承諾した。 ところがそこには、金髪に青い目のみごとな美貌をそなえた、 教授の“恋人”を自任する上流階級の令嬢が待っていた! 世界中の読者のみならず、数多くの作家たちから愛されるベティ・ニールズ。『赤毛のアデレイド』はそんな彼女の記念すべき処女作です。2007年に惜しくもこの世を去った友人のアン・ウィールが生前に本作へ寄せた賛辞も掲載されていますので、お見逃しなく!

シンデレラの輝きシンデレラの輝き

牧師の娘フィリーは気立てがよく、家族の面倒をみている。ある日、道に迷った魅力的な医師ジェームズを案内し、密かに心をときめかせるが、彼には美しい婚約者がいた。富も名声もある彼と、ただの家事手伝いをする村娘の私では、そもそも釣り合わないし…。あきらめようと思っても、その後も彼と偶然の再会をし、フィリーの心は切なさを増すばかりだった。(『ドクターにキスを』)。目が覚めると、フィリッパはすべての記憶を失っていた。聞けば、挙式直後に車で失踪し、事故を起こしたらしい。そんな彼女の前に、魅力的だが謎めいた実業家コラッドが現れるーこの人が私の夫?体が熱く反応し、自分が彼を愛していると本能的に悟った。だが、亡父から相続した遺産を、結婚と同時に彼へ譲るという契約書を発見し、彼女は胸騒ぎに襲われ…(『愛だけのために』)。母が死に際に詳細を明かした実の父に会うため、キャサリンはイタリアへ飛んだ。そこで待ち受けていたのは、ダビデ像のように美しい大富豪アレッサンドロ。父の若き友人である彼は、妻に先立たれて男手一つで息子を育て、もう結婚はしないつもりだった。そうとは知らないキャサリンは、父を待つ間、親身に話を聞いてくれる彼にどうしようもなく惹かれていく。(『結婚はナポリで』)

ティーカップに愛をティーカップに愛を

愛を注がれないわたしはまるで、 からっぽのティーカップ……。 見習い看護師のアグネスは夜勤明けに講義に出席したとき、 最前列のまんなかだというのに思わず居眠りをしてしまい、 オランダ人外科医フラーム・デル・リンセンに叱責された。 長身で肩幅の広い彼がぱりっとした服を着た姿はいかにも魅力的で、 壇上の彼を見上げる周囲の女性たちは恍惚のため息をついている。 アグネスはデル・リンセン医師の冷たく光る碧眼に射られ、赤面した。 「君は尊敬心に欠けている。それに厚かましい」 ああ、もしも姉みたいに美人だったら、こうは言われなかったのかしら? 自分への自信のなさと淡い想いとに心乱れるアグネスだったが、 それからまもなく、ひどく惨めな姿を再び彼に目撃されてしまう! 優しく穏やかな作風が今なお愛され続けるベティ・ニールズの名作。牧師の家庭に生まれた5人きょうだいの末娘アグネスは姉たちに似ず冴えない器量で、親から“かわいそうな子”と呼ばれる始末。ちょっぴりいじけ気味な彼女の小さな恋の行方は?

幻のフィアンセ幻のフィアンセ

いつしか芽生えていた恋心は、 突然の告白にはかなく散って……。 ロンドンの病院で看護師長をしているジュリアは、 週2回、彼女のいる婦人内科へ回診にやってくるオランダ人医師、 ファン・デル・ワーギマー教授と折り合いがよくなかった。 女性看護師の大半が、有能でハンサムな彼に憧れているが、 ジュリアには無愛想で、ときに意地悪とも言える言葉をかけてくるのだ。 だが、教師である父が彼の息子の補習を引き受けたのを機に、 彼女はファン・デル・ワーギマー教授の私生活を知るようになる。 妻との死別、息子の寮生活、そして……近々、結婚予定があることを。 予期していなかった事実を聞いて胸がちくりと痛み、 ジュリアはいつのまにか彼に恋していた自分を戒めるのだった。 読んだあとに心が癒されるベティ・ニールズ作品から名作をお届けします。仕事ではよそよそしいけれど、病院外では親しく振る舞う教授に、ジュリアは彼の本当の姿はどちらなのかと悩みます。先の読めない恋に振り回される彼女の運命やいかに?

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