小説むすび | 著者 : 丸山正樹

著者 : 丸山正樹

青い鳥、飛んだ青い鳥、飛んだ

一度でも道を踏み外した者は、決して許されないのか? 万引き犯を死なせたコンビニ店主、万引きで捕まった過去を持ち、生活苦から必死に生きる女性。 各々の人生を通して描かれる苦悩と葛藤、そして再生ーー。 ドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』 『夫よ、死んでくれないか』で注目の著者が描く問題作! 大手フランチャイズ加盟のコンビニ店主・柳田克己は、「万引き犯など最低の人間」という信念を持ち、「万引きをさせない」のではなく、決して見逃さず「捕まえる」ことにしていた。 ある日、克己は菓子パンを万引きした男を捕まえようとしたが、もみ合ううちにその男を死亡させてしまう。 そして克己は逮捕され、人生は暗転していく。 一方、児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで捕まった過去を持つミチル。 彼女はバイトを掛け持ちしながら必死に一人で生きていたが、コロナ禍の「シーセッション(女性不況)」で仕事を次々に失い、現在は違法メンズエステ店で働いていた。 必死に生きながら、自分の夢の実現を目指す彼女は時折思うことがある。 あの日、捕まっていなければ。 そんな二人が、ある事件を契機に巡り会うことに……。

キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alrightキッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright

発売日

2022年9月7日 発売

NPO法人「子供の家」の代表で、虐待・差別・体罰・貧困といった子供の人権救済活動に関わっている河原はある日、SNS上で〈このままだとあたし おばあちゃんころしちゃうかも〉【NAGOYA JK】というヤングケアラーと思しき書き込みを見つける。河原は組織を手伝う少女・うさこを通じて発信元の子に連絡を取ろうと試みるがーー。  また繁華街で「パパ活」などを仕切る半グレ集団に対して睨みを利かせている男・通称シバリはある日、街角で少年たちから襲われていた日系ブラジル人四世の少年・ダヴィを助ける。彼は日本生まれ日本育ちだが、周囲は彼を「ガイジン」と呼ぶ。「オレはニッケイ。ニホン人でもブラジル人でもない。でもこの国でしか生きられん」日本社会から排除された日系ブラジル人たちが群れ住む団地を訪れたシバリは、ダヴィを学校に行かせるために、グループの男と対決をするーー。そしてそれぞれの人生が交わる時ーーこの国の片隅で確かに生きている、声なき子どもたちの声を聞け。傑作社会派エンタメ小説。

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