著者 : 久保奈緒実
家族と大切な会社を守るため、 彼女は血も涙もない富豪に自らを売った。 ジゼルは代々続いてきた家業の会社を倒産から救うため、 冷酷非情で有名な富豪アダムに助けを求めた。 南仏のレストランに現れたアダムはとても大柄で屈強な男性で、 いきなり彼女をファーストネームで気安く呼ぶほど傍若無人だった。 なんて失礼な人。ジゼルは憤慨したが、彼の機嫌は損ねられなかった。 緊張で食べられない彼女と違い、アダムは食欲旺盛に料理を平らげると にこやかに言った。「僕は君が欲しい。僕と結婚するなら金を出そう」 ジゼルは屈辱と怒りで爆発しそうだった。けれど心の奥には、 アダムの荒削りな魅力に惹かれるのをとめられない自分がいた……。 清純なヒロインを描いて人気があるスター作家A・ウエスト。契約結婚を承知したヒロインはヒーローの意外なやさしさに触れて胸がときめきますが、彼女は修道女みたいだと富豪が人に話すのを聞いて……。大スター作家R・ウインターズがお好きな方にもお勧め!
できれば私が夫の子を身ごもりたかった。 これは愛のない結婚をした罰なの? サーシャがギリシア富豪ラファエルと出会ってすぐに結婚したのは、 裕福な権力者で横暴な継父の支配から逃れたかったためだ。 ラファエルも彼女が持つ豊かな人脈を必要としていたから、 どちらにも都合はよく、愛がなくてもかまわないはずだった。 けれど妻を大切にし、対等に扱う夫にサーシャはいつしか恋をし、 愛を求めるようになっていた。 今、夫は自分の後継者となる赤ちゃんを欲しがっている。 けれどいくら不妊治療を続けても子供を授かることはなく、 サーシャはつらい気持ちを押し殺し、代理母による出産を提案した。 私が愛する夫の願いをかなえるにはもうその方法しかないから……。 R-3885『秘書は秘密の代理母』で代理出産を依頼した夫妻が、今作のヒーローとヒロインです。代理母が妊娠に成功しても夫には愛されず、苦悩するヒロイン。そんなとき、交通事故にあって重傷を負い……。大スター作家D・コリンズの妙味が堪能できる一冊です!
私の望みは2つだけ。赤ちゃんを産むこと。 愛を教えてくれた男性に愛されること。 最近の体調不良の原因が妊娠と知って、ヴィエナは愕然とした。 医者から“妊娠できない”と言われていたのはなんだったのだろう? でも子供の父親ーー富豪ジャスパーはこの知らせを歓迎しないはずだ。 私は数日一緒に過ごしただけの、ただのベッドの相手だから。 でも、男らしい彼は私を大切にしてくれた。そんな人は初めてだった。 悩んだ末に、ヴィエナはジャスパーに赤ん坊ができたと告げた。 ジャスパーがすぐに子供の父親になりたいと言ったのはうれしかった。 けれど、彼が続いて口にしたのは“義務”という言葉ばかりだった。 私がいちばん欲しいのは愛なのに、愛のない結婚が答えなんて……。 大胆かつ緻密な構成を得意とする、大スター作家D・コリンズ。孤独の中、愛を求めて傷ついてきたヒロインは兄の結婚によってできた義兄に恋をしますが……。今作がお気に召したら、スター作家J・アシェンデンのR-3874『○○○○○○○○○○○○』もぜひご一読を!
教師のレベッカはイタリアでいちばんの独身富豪エンツォに出会った日から熱烈に迫られ、薔薇色の日々を送っていた。しかしフィレンツェの大聖堂で結婚式をあげる直前、エンツォの本当の目的が彼女の祖父の遺産にあったのを知る。いいえ、あのやさしくて完璧な紳士の彼が私をだますわけがない。私はこの日のためにイギリスの家を引き払い、仕事も辞めたのだ。レベッカはウエディングドレス姿で泣きながら本当なのかときいた。だが、彼は「君への気持ちに嘘はなかった」と繰り返すばかり。しかもすべてを知られたあとも、レベッカを手放そうとはせず…。
愛のためにもう一度愛のない結婚を選ぶ。 家族と、恋いこがれる彼の幸せを願って。 この結婚に愛はない。花嫁のエデンは浮かない顔だった。 亡き父の会社を守るため、想いを寄せる男性のことはあきらめた。 だが花婿に隠し子がいるとわかり、式は一転、中止となってしまう。 失意と屈辱の彼女を救ったのは、富豪のレミーだった。 私を嫌っていた人がなぜ? 私は彼に恋いこがれていたけれど。 レミーの真意はすぐにわかった。「僕は君が欲しい」 ただし、一度ベッドをともにしたら、あとは他人に戻りたいという。 1時間でもそばにいたくて、エデンは彼に純潔を捧げた。 他人に戻るどころか、妊娠によってさらに深く結びつくとも知らず。 R-3778『シンデレラは秘密の子を抱く』で結婚式当日に捨てられた花嫁が今作のヒロインとなります。決して振り向いてくれないヒーローに恋をする彼女が、それでもあきらめきれずに彼を求める姿が胸を打つ一冊です。次作のクイン&マイカの物語もお楽しみに!
私は愛された花嫁じゃない。こんなにみじめな結婚式がある?結婚行進曲はなし、写真撮影もなし、ドレスも理想とはほど遠い。切なさと悲しみの中、アレッシアはベールの奥から花婿を見つめた。すべては月の美しい夜、私が謎めいた億万長者ガブリエルを白馬の王子と信じ、純潔を捧げたことから始まった。冷たい目すら魅力的な彼が“花嫁”を欲しいのは間違いない。でも、決して相手が“私”だから欲しいわけじゃない。ガブリエルが手に入れたいのは私のおなかに宿った赤ちゃんだ。こんなに胸が苦しい理由ならわかっている。私が夫となる男性に愛されたいと願っているせい…。
ヴィクトリアが18歳になって以来、父親は結婚相手をさがしてきた。そして、ヴィクトリアはイタリア貴族アルドの花嫁となった。結婚式の夜、誰からも恐れられている彼は言った。「僕は君を自分のものにしたいんだ。僕のかわいい妻を」怖くてたまらないはずなのに、ヴィクトリアの胸は高鳴っていた。だが数カ月前の夜の庭園で、彼女が熱い想いと純潔を捧げて情熱的なひとときをともにしたアルドはもうどこにもいなかった。アルドが私を妻にしたのは、トスカーナの屋敷に閉じこめるため、世間の目にいっさい触れさせないためだったのだ。なぜなら、結婚する気のなかった彼の子を私が身ごもっているから。