著者 : 久山宏一
捜査・浴槽で発見された手記捜査・浴槽で発見された手記
イギリス各地の墓地で起こる死体消失事件、スコットランド・ヤードのグレゴリー警部補は真相解明に乗り出すが、捜査は難航を極める…メタ推理小説『捜査』、地球文明崩壊後、地下遺跡から奇跡的に発見された1篇の手記に記されていた驚くべき記録ー疑似SF的不条理小説『浴槽で発見された手記』、レムの多彩さをうかがわせる異色作2篇を収録。
優しい語り手優しい語り手
嘘や憎しみにあふれた情報の断片を、共感や優しさによってつなげ、神話的な物語の力を蘇らせる「第四人称」の語りとは(「優しい語り手」)。絶えざる流浪、破局、全体主義を経験しながら、西欧の周縁で菌糸体のような独自の生育をとげた中欧文学の魅力とは(「「中欧」の幻影は文学に映し出される」)。細分化していく世界を「星座」的な形式で再構築する、新たな文学の可能性がここに開かれるー『プラヴィエクとそのほかの時代』『昼の家、夜の家』『逃亡派』のノーベル賞作家が語る、二つの講演。
カティンの森カティンの森
第二次世界大戦中、ソ連の捕虜となったポーランド人将校数千人がソ連内のカティンの森で密かに虐殺された。そのなかに、フィリピンスキ少佐がいた。だが、この事件を知らない少佐の娘ニカは、母と祖母と一緒に少佐の帰還を空しく待ち続けていた。やがて彼女の前にある過去を持った青年が現れる…。美しく悲しいニカの恋の物語と共に、ポーランド史の暗部を巧みに描き出す。
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