著者 : 五十嵐律人
暗い夜のことだった。検事である僕・印藤累は、夜道に立ち尽くす幽霊の存在に気づく。同時に、僕の前に現れたのは「案内人」を自称する青年・架橋昴。訳あって現世に縛られた幽霊を救うため、ある場所に導いているという。それこそが「深夜法律事務所」-変わり者の弁護士・深夜朱莉が真夜中にだけ、幽霊のためだけに営業する、死者と生者をつなぐ場所だった。
僕らの通う鏡沢高校には校則がない。ただし、入学式のときに生徒手帳とともに分厚い六法を受け取る。校内のいたるところには防犯カメラが設置されてもいる。髪色も服装も自由だし、タピオカミルクティーを持ち込んだって誰にも何も言われない。すべてが個人の自由だけれども、“法律”だけは犯してはいけないのだ。現役弁護士作家の特殊設定リーガルミステリー。
裁判所書記官として働く宇久井傑。ある日、法廷で意識を失って目覚めると、そこは五年前ー父親が有罪判決を受けた裁判のさなかだった。冤罪の可能性に気がついた傑は、タイムリープを繰り返しながら真相を探り始める。しかし、過去に影響を及ぼした分だけ、五年後の「今」が変容。親友を失い、さらに最悪の事態が傑を襲う。未来を懸けたタイムリープの果てに、傑が導く真実とは。リーガルミステリーの新星、圧巻の最高到達点!
学園祭で賑わう霞山大学の片隅。法学部四年・古城行成が運営する「無料法律相談所」(通称「無法律」)に、経済学部三年の戸賀夏倫が訪れる。彼女が住むアパートでは、過去に女子大生が妊娠中に自殺。最近は、深夜に赤ん坊の泣き声が聞こえ、真っ赤な手形が窓につくなど、奇妙な現象が起きているという。戸賀は「悪意の正体」を探ってほしいと古城に依頼するが…。リベンジポルノ、放火事件、毒親問題、カンニング騒動など、法曹一家に育った「法律マシーン」古城と、「自称助手」戸賀の凸凹コンビが5つの難事件に挑む!現役弁護士作家が放つ、青春×多重解決ミステリ!
人気作家・二階堂紡季には、誰にも言えない秘密があった。露呈すれば、すべてを失う。しかし、その秘密と引き換えにしても、書かねばならない物語に出会ってしまいー謎を解かなければ。私は作家なのだから。
若き家庭裁判所調査官・瀬良真昼。どんな少年も見捨てない。そう決めて彼らと向き合ってきたはずだった。しかし、狐面の少女が犯した凄惨な殺人事件を目の当たりにして、信念は大きく揺らぐ。不可解なことに、被害者は全員同じ高校に縁のある人々だった。被害者遺族の男子高校生を担当する真昼は、思わぬ形で事件の真相に迫りー?圧巻の青春リーガルミステリー。