著者 : 井川香四郎
讃岐綾歌藩の若君・桃太郎、実は男として育てられた姫君である。町娘・桃香に変装し、深川で知人の婚礼に参列中、花婿が火付盗賊改方に捕縛された。厳しい拷問を受けているという。親しい岡っ引きと家臣の調べによると、将軍暗殺を企てる不穏な動きと関わりがあるらしい。陰謀を未然に防ぐべく、桃太郎君は“部屋子”の姿で単身大奥へ潜入するが…。
「世のため人のために働け」の家訓を命に、小普請組の若旗本・高山和馬は金でも何でも可哀想な人たちに分け与えるため、自身は貧しさにあえいでいた。ところが、ひょんなことから、見ず知らずの「ご隠居」を屋敷に連れ帰るが、料理や大工仕事はいうに及ばず、体術剣術、医学、何にでも長けていた。和馬はこの老人と暮らすうち、いつしか幸せの伝達師に!「ご隠居」は何者?
桶屋鬼三郎は、布袋屋知右衛門に姉と共に苦界へ落とされた娘に頼まれ、悪事を晒す機会を狙っていた。しかし、知右衛門は縁日で絡まれ、頭を強打し、記憶を無くしてしまう。その直後、彼の娘が拐かされ、身代金を要求する文が届く。門前仲町の岡っ引の紋三が調べに乗り出すが…。大岡越前守から朱房の十手を与えられ、江戸市中の岡っ引を束ねる紋三の活躍を描く人気シリーズ最新刊!
天麩羅屋を営む浪人・伊達宗之介は、一人娘・千春の小言に頭の上がらぬ日々を送る。ある雷雨の夜、二人が町医者の屋敷の前を通りかかると、蓑笠姿の男が表門から遁走。邸内で目にしたのは男と女の亡骸だった。探索に乗り出した岡っ引の紋三は無数の不審な点に気付き…(表題作)。粋な紋三親分と、しがない浪人・宗之介の人情裁きが冴え渡る書下ろしシリーズ!
江戸城の御金蔵から四千両が盗まれた!そして目安箱には、ある寺の住職が盗賊と関わりがあるとの投書が…。八代将軍徳川吉宗は大岡越前らに探索を指示すると、貧乏旗本の三男坊・徳田新之助に扮して町へ出た。そのころ町火消『め組』は、人殺しの疑いで捕縛されたお涼を助けるべく、証拠探しに奔走していた。やがて事件はひとつに繋がってゆきー。弱きを助く上様が、江戸の陰謀を鮮やかに「成敗!」するシリーズ第3弾!
奥女中・多喜の無惨な死体が外濠で見つかった。多喜は、その正体を将軍吉宗がくノ一と見抜くも、特別な計らいにより宿下がりとなったはずであった。多喜を殺したのは何者か。大奥の権勢争いは激しく、尾張徳川家は将軍の座を狙う…。城中奉行・大久保丹後守の意を受けた紋三親分が探索する先に、思いも寄らぬ真相が待ち構えていた。大好評の「ちゃんちき奉行ともんなか紋三」書き下ろしシリーズ、第三弾。
ある日、伝馬町牢屋敷で火事が発生。避難のために囚人たちが一時的に解き放たれた。町火消『め組』の活躍で鎮火するが、臨月の女囚・お邦が姿を消してしまう。江戸城から抜け出した八代将軍・徳川吉宗は、貧乏旗本の三男坊・徳田新之助に扮して事情を探るがー(「獄中の花嫁)」。大岡越前が凶弾に倒れ、怒れる吉宗が江戸の闇を牛耳る謎の男と対峙する「闇の極楽」など全4話。国民的時代劇のオリジナル小説、シリーズ第2弾!
貧乏旗本の三男坊・徳田新之助の正体は、時の将軍・徳川吉宗だった!御側御用取次・加納の目を盗んで城を抜け出しては、町火消『め組』の辰五郎、大岡越前と江戸の安寧を密かに守っていた。だが一方で、吉宗不在の江戸城では天下を揺るがす巨大な陰謀が蠢いていた。札差の賄賂疑惑。幕政を批判する軍学者。江戸城に上がる火の手ー。果たして吉宗は防げるのか。国民的時代劇が新作時代小説となって今、蘇る。新シリーズ開幕!
天文方に勤める川本浩之助は絶滅した生物の化石探しに没頭していた。ある夜、不審な男たちが、別れた女房を拐かし「不死の鳥の化石を出せ」という要求を突きつける。一方、市中の事件を追う中で浩之助に目をつけていた定町廻り同心の近藤信吾。彼もまた黒い陰謀に巻き込まれていく…。太古のロマンが巻き起こすドラマを壮大に描く!人気時代シリーズ、堂々たる最終巻。
“かわせみの清兵衛”なる盗賊を追い、悪の巣窟と呼ばれる高津町に潜入した定町廻り同心の近藤信吾。ところが一月前からとんと姿を見せない。彼の消息を気に病む馴染みのお蔦や八朔たちが件の町に赴き、信吾を見つけ出した。ところが声をかけてもまるで他人のよう。咎人を騙すための芝居か、あるいは本当に“物忘れ”に…!?大法螺で事件を解決!痛快な時代シリーズ第六弾。
本物の殿様にして若年寄となった元影武者・与多寅右衛門の前に、次々に難題が立ちふさがる。増税を唱える上役、野心家の勘定奉行、財政改革の妙手を引っさげ幕政に食い込もうとする謎の男、江戸の子供が消える誘拐事件。そして、恋?寅右衛門は庶民のための政治改革を貫けるか?大人気シリーズも第五弾にして大団円!?
越後四条藩で影武者を務めていた与多寅右衛門は、一橋家の元家老、飯田能登守易信の推挙で武蔵滝山藩主にして若年寄の座に就いた。江戸と甲州をつなぎ、“桃源郷”と呼ばれる美しいこの地だが、石高は貧しい。そんな小藩に金鉱が発見され、寅右衛門の首を狙う賊が現れた。そして、謎の女の姿もー。好評痛快シリーズ、怒涛の第四弾!
1690年、伝説の切上り長兵衛によって発見されて以来、閉山までの283年間で65万トンの銅を産出し、巨大財閥住友の礎となっただけでなく、日本の貿易や近代化にも大きく貢献した愛媛県新居浜市の別子銅山。江戸時代の貨幣改鋳にも深く関わった世界屈指の鉱山を舞台に、歴史を彩った熱い人々を鮮烈に描く、魂が揺さぶられる大河ロマン!
駒形そこつ長屋に起居する与多寅右衛門。かつて越後四条藩主の影武者を務め、町の事件を次々と解決する彼のもとに、碁敵として謎の男が通い詰める。小柄で白髭、前歯の欠けた素性の知れぬこの老人、なにやら思惑があるようだ。幕閣の政争にも巻き込まれ、寅右衛門の身に大きな変化がー。絶好調シリーズ、急展開の第三弾!
越後四条藩主の影武者を務めていた与多寅右衛門は、人情あふれる駒形そこつ長屋の面々とすっかり打ち解けた。海産物問屋の老妻の記憶を取り戻す手助けをし、仲間の恋の橋渡しをする。八面六臂の活躍を見せる寅右衛門に、大身の旗本から仕官の話が持ち込まれるがー。古典落語を下敷きにした痛快シリーズ、絶好調の第二弾!
宝永大地震に富士山噴火。復興の祈りで賑わうお伊勢参りの要所・石部宿で、百姓衆の諍いを収めた旅の浪人徳田新之助は、圧政を敷く代官との交渉役を引き受けることになるが。使い手の男前若侍と、色事好きのお節介な爺さん。ひょんな縁から行き会った三人の正体とは?痛快世直し道中記開幕!
浅草寺の参道にじっと佇む裃姿の侍。容貌魁偉にして怪力のこの男、過去の記憶がないというが、なぜか駒形の小さな長屋に住み着いた。道中手形にある名前は与多寅右衛門。上杉家の流れを汲む名門出身のようだが、果たしてその正体はー。古典落語に材を取り、江戸の事件を寅右衛門が次々に解決する痛快新シリーズ、ここに開幕!
幕末の名君松平春嶽の師に、と請われるも固辞、俗世を捨て和歌にすべてを捧げた橘曙覧の生涯。年番方与力宇野清左衛門は、詮議所にいた男にある面影を見て、疑念を抱く。長谷川平蔵の幼馴染で南町奉行となった男の矜持と心意気ー。小説好き必読!書下ろし時代文庫の人気執筆陣が、人の世を彩る感情“喜怒哀楽”を描き切る特別企画。第一弾は、三つの“喜び”が溢れる。