著者 : 今野敏
目黒の商店街付近で、若い男性が血を流して倒れているのが発見された。現場に到着した大島刑事と湯島刑事の前に現れたのは、刑事調査官の谷と心理調査官の島崎優子だった。若者同士のトラブルかと思われたが、捜査は思いのほか難航する。島崎と組んで聞き込みを行うことになった大島たちは、彼女の言葉に事件解決の糸口を見出すが…(「老婆心」より)。幻の「刑事調査官」シリーズの他、五編を収録した文庫オリジナル短編集。
報道番組「ニュースイレブン」の記者、布施。素行の悪さに目をつけられながらも、独自の取材で多くのスクープをものにしてきた彼が興味を示した女子学生猟奇殺人事件は、警視庁捜査一課第二係、黒田の担当だった。警察も知らない事実を布施が握っているらしいと感づいた黒田は、彼に張り付くことを決める。記者と刑事、異色のタッグを組んだ二人は、やがて事件に潜む大きな闇の核心に迫ってー。
警視庁刑事部長を務めるキャリア、伊丹俊太郎。彼が壁にぶつかったとき頼りにするのは、幼なじみで同期の竜崎伸也だ。原理原則を貫く男が愛想なく告げる一言が、いつも伊丹を救ってくれる。ある日、誤認逮捕が起きたという報に接した伊丹は、困難な状況を打開するため、大森署署長の竜崎に意見を求める(「冤罪」)。「隠蔽捜査」シリーズをさらに深く味わえる、スピン・オフ短篇集。
赤坂で発生した殺人事件の特捜本部に、警視庁公安部でロシア事案を担当する倉島が呼ばれた。被害者は右翼団体に所属する男だ。二日後、今度は暴力団構成員が殺された。2つの事件に共通する鮮やかな手口から、倉島はプロの殺人者の存在を感じる。鍵はロシア、倉島は見えない敵に挑む。公安捜査官の活躍を描くシリーズ第3弾。
中央アメリカの軍事国家マヌエリアで、日本商社の支社長が誘拐された。CIAをバックにつけた反政府ゲリラの犯行だという。合衆国と軍事政権間の緊張が高まるなか、国際対テロ用特殊部隊「トランプ・フォース」が出動。元商社マンの佐竹は、中国美女リーとともに社員を装って政権と接触するが、そこには思いがけぬ陰謀が隠されていた…密林での激闘に胸躍る、シリーズ第二弾。
風雲急!! 真田、生き残れるか!? ルドルフ・ヘスの命令の下、陸空からの最終攻撃が、恵理、舎念たちに迫る!! 運命が微笑むのは、敵か味方か!? 新人類委員会は、芳賀一族抹殺を狙って、最終攻撃の準備を進める。舎念、恵理、ザミルが重大な危機を予期する中、真田武男は特殊防諜班の任を解かれる。宿命の男たちが出雲に集結、最大にして最後の戦いが始まる。真田は恵理たちを守ることができるのか。シリーズ完結編。 風雲急!!真田、生き残れるか!? ルドルフ・ヘスの命令の下、陸空からの最終攻撃が、恵理、舎念たちに迫る!!運命が微笑むのは、敵か味方か!? 新人類委員会は、芳賀一族抹殺を狙って、最終攻撃の準備を進める。舎念、恵理、ザミルが重大な危機を予期する中、真田武男は特殊防諜班の任を解かれる。宿命の男たちが出雲に集結、最大にして最後の戦いが始まる。真田は恵理たちを守ることができるのか。シリーズ完結編。 ※この作品は1990年10月天山出版より刊行された『千年王国の聖戦士(メシア)』(新人類戦線シリーズ)を改題したものです。
果てしない闘争の中心となって、再び自らの居場所を失ったタケルは、渋谷の街に身を潜める。そのタケルを追って笹目はテロ組織「アトラ・ハシース」の秘密に近づいていく。組織はエンキドゥという最強にして最後の刺客を送り込む。執拗なまでにタケルの抹殺にこだわる総帥ウト・ナピシュテムの真意は?そしてタケルのなかに秘められている「和の力」とは?迫真のアクション巨編、ここに完結。
「もう、ひとりも仲間は殺させない」記憶が戻らないまま暴力の世界に生きることを決意したタケル。テロ組織アトラ・ハシースでは非情なテロリストとして畏怖と憧れの目で見られた彼だったが、八神初穂との出会いが大きな変化をもたらしていた。組織からの刺客イシュタルもその変化に戸惑い、心に迷いを生じる。だが、タケルの包囲網はさらに狭まり、闘いはさらに苛烈さを増してゆくー。
レッド・アメリカと呼ばれるキューバ、ニカラグアで起きた殺戮事件。反政府ゲリラ、政府軍、米軍ーテロリストの手により、敵味方の区別なく惨殺された。その頃、日本での戦いを終えたシド・アキヤマはテヘランにいた。イランの国民的指導者カッシマーが殺害され、街は混乱していた。そこへ再び内閣官房情報室からの依頼が…。
パキスタンとアフガニスタンの国境付近で、映像プロデューサーの笹目京介は、銃創を負った少年を助ける。日本語を話し、タケルと名乗る少年は、名前以外のすべての記憶を失っていた。好奇心に駆られた笹目はタケルを伴って帰国し、駒引神社の宮司である八神家に預ける。だが、笹目は自分たちを尾行してきた三人の男の存在に気づいていなかったー壮大なスケールで展開するアクション・ロマン。
タケルとの出会いにより、駒引神社の巫女としての能力が目覚めはじめた八神初穂は、八神家に伝わる『八神文書』とタケルの過去に深く関係する『ギルガメッシュ叙事詩』との間に共通点を見出す。一方、タケルの「真の力」の発現を恐れるテロ組織アトラ・ハシースは、タケル抹殺作戦を展開する。さらにその並外れた戦闘能力に目をつけた各国の諜報機関は、タケルの籠絡を謀り、工作員を送り込むがー。
ミュウーレトロウイルスの進化形に感染した人間から生まれた子供たち。生まれながらに持つ特殊能力ゆえ社会への適応力を欠き、悪魔が人間の腹を借りて生まれたといわれていた。隔離か保護か、分裂する内閣。そんな折、病院から逃走したミュウを追って、元傭兵のシド・アキヤマは飛騨山中にいた。殺しのプロはなぜミュウ・ハンターとなったのか。
山の民ー。特殊防諜班・真田は、誇り高きその血を受け継いでいた。雷光教団を急速に掌握した、二代目夢妙斎と名乗る男を探る真田は、彼の技に同族の印を見出す。一方、モサドのザミルは中東戦争阻止に忙殺。だが芳賀一族抹殺の新たな陰謀がまた動き出していた。
古都・鎌倉、相山流茶道の家元邸で開かれた茶会は御曹子婚約発表の場でもあった。その席で、ある男が胸に包丁を突き立てた死体となって発見される。手伝いとして現場にいた小高紅美子は、家元の次男・秋次郎や県警の安積刑事と流派に隠された伝承と戦国時代にさかのぼる怨讐を追う。傑作長編ミステリー。
伊豆大島、そして奄美大島でダイビング中の死亡事故が発生。どちらの場所も源為朝伝承の地だった。そこに注目したワイドショー番組が事件を取り上げる。ところが番組スタッフからも死者が出る……。本当に事件は為朝の“呪い”によるものなのか? STは謎を追って現地に飛ぶ。「伝説の旅」シリーズ、始動!
時は明治。琉球の下級士族の家に生まれた富名腰義珍は、生来の病弱を克服するために門外不出の秘伝であった唐手を学びはじめる。ひたすら同じ型を練り続ける日々の中で義珍の心身は強靱になり、修行にのめり込んでいく。そして時は移り、教育者となった義珍は、唐手を青少年の育成に役立て、古伝の精神を本土に普及させることを決意する。琉球秘伝の「唐手」を極め、本土に「空手」を伝えた男の生涯。
成田空港に一人のアメリカ人が降り立った。各国諜報関係者の環視のなか、米大使館の車に乗りこんだ男は、尾行する覆面パトカーに手榴弾を放った!ジョン・カミングス、元グリーンベレー。東京の機能を麻痺させるべくCIAが送りこんだプロのひとりだ。日米経済戦争の裏で暗躍する組織に対抗すべく、内閣情報調査室の陣内平吉が選んだ男とは?-。
芸能プロダクションの三十周年パーティで専務の浅井が襲われた。意識を回復した当人は何も覚えていなかったが、その晩死亡した。会場で浅井は浮浪者風の男を追って出て行った。共同経営者である高田、鹿島、浅井を探して対馬から来たという。ついで鹿島も同様の死を遂げた。事件の鍵は対馬に?渋谷署の辰巳刑事は整体師・竜門と対馬へ向かう。好評、辰巳&竜門シリーズ。
TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、看板番組『ニュース・イレブン』所属の遊軍記者。素行に問題はあるものの、独自の取材で数々のスクープをものにしている。時には生命の危険にもさらされるが、頼りになるのは取材ソースのひとりでもある警視庁捜査一課黒田裕介刑事の存在だ。きらびやかな都会の夜、その闇に蠢く欲望と策謀を抉り出す。