著者 : 伊坂幸太郎
そのホテルを訪れたのは、逃走中の不幸な彼女と、不運な殺し屋。そしてー。やることなすことツキに見放されている殺し屋・七尾。通称「天道虫」と呼ばれる彼が請け負ったのは、超高級ホテルの一室にプレゼントを届けるという「簡単かつ安全な仕事」のはずだったー。時を同じくして、そのホテルには驚異的な記憶力を備えた女性・紙野結花が身を潜めていた。彼女を狙って、非合法な裏の仕事を生業にする人間たちが集まってくる…。『マリアビートル』から数年後、物騒な奴らは何度でも!
どこかの誰かが、幸せでありますように。 失恋したばかりの社会人と、元いじめられっこのスパイ。 知らないうちに誰かを助けていたり、誰かに助けられたり……。 ふたりの仕事が交錯する現代版おとぎ話。 付き合っていた彼女に振られた社会人一年生、 どこにも居場所がないいじめられっ子、 いつも謝ってばかりの頼りない上司……。 でも、今、見えていることだけが世界の全てじゃない。 優しさと驚きに満ちたエンターテイメント小説! 猪苗代湖の音楽フェス「オハラ☆ブレイク」でしか手に入らなかった 連作短編がついに書籍化!
製菓会社に寄せられた一本のクレーム電話。広報部員・岸はその事後対応をすればよい…はずだった。訪ねてきた男の存在によって、岸の日常は思いもよらない事態へと一気に加速していく。不可思議な感覚、人々の集まる広場、巨獣、投げる矢、動かない鳥。打ち勝つべき現実とは、いったい何か。巧みな仕掛けと、エンターテインメントの王道を貫いたストーリーによって、伊坂幸太郎の小説が新たな魅力を放つ。
家裁調査官の武藤は貧乏くじを引くタイプらしい。無免許事故を起こした19歳は、近親者が昔、死亡事故に遭っていたと判明。また15歳のパソコン少年は「ネットの犯行予告の真偽を見破れる」と言い出す。だが一番の問題は傍迷惑は上司・陣内の存在だった! 読み終えた瞬間、今よりも世界が輝いてみえる大切な物語。伊坂ワールドでは、どんなに孤独な魂にも光が注ぐ!!
我が家の嫁姑の争いは、米ソ冷戦よりも恐ろしい。バブルに浮かれる昭和の日本。一見、どこにでもある平凡な家庭の北山家だったが、ある日、嫁は姑の過去に大きな疑念を抱くようになり…。(「シーソーモンスター」)。ある日、僕は巻き込まれた。時空を超えた争いにー。舞台は2050年の日本。ある天才科学者が遺した手紙を握りしめ、彼の旧友と配達人が、見えない敵の暴走を阻止すべく奮闘する!(「スピンモンスター」)。
常盤優我は仙台市のファミレスで一人の男に語り出す。双子の弟・風我のこと、決して幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの特別な「アレ」のこと。僕たちは双子で、僕たちは不運で、だけど僕たちは、手強い。
陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。直後から、ギャングたちの身辺で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発。蛇蝎のごとき強敵の不気味な連続攻撃で、人間嘘発見器成瀬ら面々は追いつめられた!必死に火尻の急所を探る四人組だが、やがて絶対絶命のカウントダウンが!
「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。その管理下、住人の監視と密告によって「危険人物」と認められた者は、衆人環視の中で刑に処されてしまう。不条理渦巻く世界で窮地に陥った人々を救うのは、全身黒ずくめの「正義の味方」、ただ一人。ディストピアに迸るユーモアとアイロニー。伊坂ワールドの醍醐味が余すところなく詰め込まれたジャンルの枠を超越する傑作!
ゴシキヌマの水をよこせー突如として謎の外国人テロリストに狙われることになった相葉時之は、逃げ込んだ映画館で旧友・井ノ原悠と再会。小学校時代の悪友コンビの決死の逃亡が始まる。破壊をまき散らしながら追ってくる敵が狙う水の正体は。話題の一気読みエンタメ大作、遂に文庫化。本編開始一時間前を描く掌編も収録!
謎の疫病「村上病」。太平洋戦争末期に蔵王山中に墜落した米軍機。世界同時多発テロ計画。これらに端を発する陰謀に巻き込まれた相葉と井ノ原は、少年時代の思い出を胸に勝負に出た。ちりばめられた伏線が反撃のために収束する、謎とアクション満載の100%徹夜エンタメ!巻末に書き下ろし掌編小説を収録する。
「探偵さん、その話、よければ僕に話してくれませんか?」舞台はドイツ。探偵カールがクリスマスの夜に出会った、謎の男とは…?心温まる聖夜の奇跡。伊坂作品のエッセンスすべてが凝縮された、心温まる物語。かつての子どもたちへ、これからの大人たちへ。
逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。死してなお読者を惹きつけてやまないミステリーの巨匠、連城三紀彦を敬愛する4人が選び抜いた究極の傑作集。“誘拐の連城”決定版「ぼくを見つけて」、語りの極致「他人たち」、最後の花葬シリーズ「夜の自画像」など全6編。巻末に綾辻×伊坂×米澤、特別鼎談を収録。
妻に出て行かれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL…。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐輪場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。
最強の殺し屋はー恐妻家。「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。兜がこの仕事を辞めたい、と考えはじめたのは、克巳が生まれた頃だった。引退に必要な金を稼ぐため、仕方なく仕事を続けていたある日、爆弾職人を軽々と始末した兜は、意外な人物から襲撃を受ける。こんな物騒な仕事をしていることは、家族はもちろん、知らない。『グラスホッパー』『マリアビートル』に連なる殺し屋シリーズ最新作!書き下ろし2篇を加えた計5篇。