著者 : 伊藤典夫
最後の危険なアンソロジー、ついに登場!“異邦の宇宙船が舞い降りた…何かが起こる…誰も逃げられない…少年トミーだけは気づいていた”破滅SFの傑作として名高い表題作のほか、日本を代表するSF翻訳家:伊藤典夫が独自の審美眼で精選した全8篇。これにて“未来の文学”シリーズ完結。
あなたはその飛行機と呼ばれる、柩のような金属とプラスチックのチューブが安全だと信じているのか? このアンソロジーを読めば考えが変わるかもしれない。 ひとたび機上のひととなってしまえば、あなたはもう何もできない。 積んでいる貨物が恐ろしい音を立てようが、大空でモンスターと遭遇しても、未来人の誘拐部隊がやってこようとも、戦争が始まっても、ゾンビが襲ってこようとも、密室殺人が起ころうとも、あなたは何もできないのだ。 飛行機に乗るご予定がおありの方は強い勇気をお持ちであることを願う。 なぜならこの本を読めば、どれだけ統計上は飛行機が安全だと言われようが、決して統計ではわからない恐怖が待っていることがわかるはずだから。 スティーヴン・キング、ジョー・ヒルの書き下ろし作品など初訳10篇を含む、全17篇の恐怖のフライトへようこそ。 【収録内容一覧】 「序文」スティーヴン・キング/白石朗訳 「貨物」E・マイクル・ルイス/中村融訳 ★初訳 「大空の恐怖」アーサー・コナン・ドイル/西崎憲訳 「高度二万フィートの恐怖」リチャード・マシスン/矢野浩三郎訳 「飛行機械」アンブローズ・ビアス/中村融訳 ★新訳 「ルシファー!」E・C・タブ/中村融訳 ★初訳 「第五のカテゴリー」トム・ビッセル/中村融訳 ★初訳 「二分四十五秒」ダン・シモンズ/中村融訳 ★初訳 「仮面の悪魔」コーディ・グッドフェロー/安野玲訳 ★初訳 「誘拐作戦」ジョン・ヴァーリイ/伊藤典夫訳 「解放」ジョー・ヒル/白石朗訳 ★初訳 「戦争鳥(ウォーバード)」デイヴィッド・J・スカウ/白石朗訳 ★初訳 「空飛ぶ機械」レイ・ブラッドベリ/中村融訳 ★新訳 「機上のゾンビ」ベヴ・ヴィンセント/中村融訳 ★初訳 「彼らは歳を取るまい」ロアルド・ダール/田口俊樹訳 「プライベートな殺人」ピーター・トレメイン/安野玲訳 ★新訳 「乱気流エキスパート」スティーヴン・キング/白石朗訳 ★初訳 「落ちてゆく」ジェイムズ・ディッキー/安野玲訳 ★初訳 「あとがきーー操縦室より重大なメッセージがあります」ベヴ・ヴィンセント/中村融訳 「作者について」 中村融訳
数多の人々に愛された作家、カート・ヴォネガット。彼がその84年の生涯で著した全短篇を、8つのテーマに分類し、全4巻で隔月刊行する第四巻には、「ふるまい」「リンカーン高校音楽科ヘルムホルツ主任教諭」「未来派」テーマの28篇を収録する。解説:柴田元幸
すぐれた作品群を遺し、多くの人々に愛された作家カート・ヴォネガット。その生涯にものした全短篇を8ジャンルに分類、全4巻で隔月刊行する第3巻には、表題作ほか「働き甲斐vs富と名声」テーマの24篇を収録。没後10年を経て刊行する決定版。解説:川上弘美
『タイタンの妖女』など傑作を遺した作家カート・ヴォネガット。彼がその生涯にものした全短篇を8ジャンルに分類、全4巻で隔月刊行する第2巻には、表題作ほか「女」「科学」「ロマンス」テーマの全30篇を収録。没後10年を経て刊行する決定版。解説:小川哲
『タイタンの妖女』『猫のゆりかご』など傑作を遺したSF作家カート・ヴォネガット。彼がものした切なくも優しい全短篇を8ジャンルに分類、全4巻で隔月刊行する。第1巻には表題作ほか「戦争」「女」テーマの全25篇を収録。没後10年を経て刊行する決定版。
突如地球を襲った未曾有の大災害をスリリングに描き、ヒューゴー賞/星雲賞を受賞した傑作「無常の月」をはじめ、人類未踏の超高密度天体・中性子星に赴いたベーオウルフ・シェイファーの驚異の冒険譚「中性子星」、同じく“ノウンスペース”シリーズに属する「帝国の遺物」「太陽系辺境空域」など、ハードSFの巨匠の数ある作品の中から、ヒューゴー賞受賞作4篇を含む名作中短篇全7篇を収録した日本オリジナル傑作選。
過去への旅が可能となった未来、時間局が設置された。部局はふたつ。そのうち時間警察は過去の歴史の監視と復旧を任務とし、時間旅行部はタイム・パラドックスを引き起こさないようにしつつ観光客を歴史的な場面へ案内する。旅行部に就職した青年ジャドは、時間線をビザンティウムへのぼる旅に出てーそこで出会った絶世の美女と恋に落ちた。時間SFの金字塔!星雲賞受賞作。
未来人がタイム・マシンのテスト用に過去へと送った、いらなくなったおもちゃ箱。それを偶然手にした兄妹の身に起こったこととは…ルイス・パジェットの幻の名作である表題作をはじめ、SF界の大御所ポールの初期の代表作「虚影の街」、異星からの恐るべき侵略を描くブラナーの「思考の谺」など、SF界きっての目利き伊藤典夫が惚れこみ翻訳した傑作の中から、SF評論の第一人者高橋良平が厳選した7中短篇を収録。
地球からの異星調査隊が不思議な共生生物と出会い深い関係を結ぶ「いっしょに生きよう」、神の死の報を受け弔問に来た悪魔の考えた天国再活性化計画が意外な展開を見せる「悪魔、天国へいく」、55年後の自分と2週間だけ入れ替わった男女が、驚愕の未来に当惑する「もどれ、過去へもどれ」など、その生涯にわたってSF界を驚かせ強い影響を与え続けて来た著者による、中期から晩年にかけて執筆された円熟の10篇を収録。
ブラッドベリの幻の作品集として名高い処女短篇集『黒いカーニバル』から精選した作品にウィアード・テールズなどのパルプ雑誌に発表された作品を加えた初期傑作選。深夜のカーニバルで、団長が乗った観覧車がくるくる逆まわりするたびに奇怪なことが起こる「黒い観覧車」、かつての想い人である少女を失った湖を男が婚約者とともに再び訪れる「みずうみ」など、叙情SFの名手が贈る恐怖と幻想にあふれた24篇の物語。