著者 : 伏見威蕃
SAS航空小隊のサム・レッドマンらは、アフガニスタンから帰還して早々、新たな任務を受けた。カザフスタンの訓練キャンプにいる約20名の英国人を抹殺せよというのだ。標的の写真を見たサムは愕然とした。その中に元SAS隊員で行方不明の兄がいたからだ。苦悩するサムに、やがて驚くべき情報がもたらされ、彼は今回の任務に疑惑を抱いたまま、小隊の仲間とともに出発するが…謎をはらんで展開する白熱の冒険アクション。
湾岸戦争での苛酷な体験により、帰還後悪夢に悩まされているSAS軍曹ジョーディ・シャープ。精神的な苦闘を続ける彼に突然、悲劇が襲った。IRAの爆弾テロに巻き込まれて彼の妻が死亡したのだ。怒りに燃える彼は、テロの首謀者を自らの手で処刑することを決意した!北アイルランドの荒野から南米の密林を舞台に展開する白熱の復讐戦。元SAS隊員の著者が豊富な経験と知識を駆使してリアルに描き出す冒険小説の話題作。
ノルマンディ上陸作戦の最激戦地オハマ・ビーチー。連合軍は、ドイツ軍の激しい抵抗に遭い、甚大な損害を被った。レインジャー部隊のミラー大尉は、部隊の生き残りと共にトーチカを攻撃し、敵陣地を奪取するが、その後、彼は野外作戦司令部に呼び出されて、上官から極秘命令を受ける。それは、敵地の奥深くに降下した空挺部隊の兵士ライアンを捜し出し救出することだった…。
世界でもっとも恐れられているテロリスト、アンリ・カゾー。元ベルギー陸軍特殊部隊員の彼は、若い頃、米兵から性的虐待を受けたため、病的なまでにアメリカを憎んでいた。カリフォルニアで武器取り引きの最中、連邦捜査官の急襲を受けたカゾーの一味は、輸送機L-600で逃亡をはかった。州兵航空隊のF-16戦闘機が急追するが、カゾーらはサンフランシスコ国際空港の上空で、輸送機に積まれていた爆発物を投下して逃亡に成功、空港は火の海と化し、数百の死傷者が出た。これをきっかけにアメリカの防空態勢の不備に目を付けたカゾーは、今こそアメリカへの復讐を果たす絶好の機会と判断し、続けざまに第二、第三の空港襲撃を実行、相次ぐ大惨事の恐怖に全米はパニックに陥る。これに対し、大統領の意を受けた元沿岸警備隊管区司令官ハードキャッスルは防空態勢の再整備に乗り出した。だが、そのころカゾーは、湾岸戦争でもすさまじい威力を発揮し、核兵器を除けば最も恐ろしいと見なされている航空攻撃兵器、燃料気化爆弾を入手し、究極の目標、ホワイトハウスへの攻撃準備を着々と進めていた…。
南太平洋上を漂うヨットの中で、米上院議員の娘が誘拐された。敵は麻薬王として知られるタイの将軍。その軍隊の規模は。人質は無事に救出できるのか。しかも次期大統領の椅子を狙う上院議員がこの機会を逆手にとって、現職大統領の失墜をもくろんでいる。第二次大戦中、空軍パイロットとしてめざましい活躍をした現米大統領の決断を迫られる場面だった。
第二次世界大戦という試練をへて誕生したアメリカ空軍。その一員となったバンドフィールド大佐たちは、新鋭機の開発に日夜力を注いでいた。音速を越えるロケット機、最新技術を駆使したジェット戦略爆撃機ーアメリカの航空産業は世界最高峰にあるかに思われた。だが、朝鮮半島で戦争が勃発すると、黒人パイロットのマーシャルたちは思いがけぬ強敵ミグ15と相まみえることになる。ジェット黎明期を舞台に描く航空絵巻。
B-47ジェット爆撃機は、革新的な設計ゆえに、多くの問題をかかえていた。さらにロケット技術の進歩によって戦略爆撃機の存在意義自体が疑われるなか、主翼の破断事故が続発。B-47の将来は危機に立たされる。一方、高まりを見せていた黒人差別撤廃運動に反発して、人種差別団体が不気味な動きをはじめていた。黒人たちを挑発し、暴動を起こさせようとする彼らの陰謀を知ったマーシャルたちは、阻止のために立ち上がった。
フロリダ沖で漁船がUボートらしき潜水艦と遭遇、沈没するという事件が報告された。調査に向かったのは米海軍駆逐艦ゴールズボロ。艦も老朽艦なら、艦長のモントゴメリーも頑固で狷介な変わり者。軍は事件を全く重要視していなかった。だがUボートと思われたのはリビアの潜水艦アル・アクラブだった。空爆を行った米空母コーラル・シーに報復するためフロリダに潜入したのだった。
調査ではコンタクトの証拠こそつかめなかったものの、モントゴメリーは確信していた。潜水艦は必ずいる。ゴールズポロとアル・アクラブの虚々実々の駆け引きが始まった。姿を見せないアル・アクラブはどこかでコーラル・シーを待ち伏せしているに違いない。コーラル・シーは護衛艦なしでメイポートに戻っくるのだ。今や空母を守れるのはゴールズボロしかなかった。
アメリカ空軍のハイテク爆撃機オールド・ドッグは、シベリアの凍土に一人の搭乗員を失った。航法士デイヴィッド・ルーガー。仲間を救うために自分の命を投げ出したルーガーは、その後何年も死んだものと思われていた。ところが、彼は生きていた。重傷を負ってKGBに捕えられ、洗脳されて別の人格に変えられていたのだ。ソ連崩壊後、アメリカ側はリトアニアにある旧ソ連の科学研究所で、ルーガーが自分をロシア人と思いこんでステルス爆撃機の開発に取り組んでいることを知る。オールド・ドッグの元搭乗員をはじめとするチームがルーガー-暗号名レッドテイル・ホーク-救出作戦のために結集した。折りしも、リトアニアでは研究所を支配する元KGBの将軍と、野心家のベラルーシ軍の将軍が結託して、リトアニア強奪にかかっていた。銃火のさなかに決行された救出作戦の行方は。ハイテク航空冒険小説の傑作『オールド・ドッグ出撃せよ』の待望の続篇。
F-4ファントム戦闘機を駆るバニスター少佐は、ミグ四機を撃墜した名パイロットだった。彼の望みは、あと一機撃墜して東南アジアで最初のエースになること。だが、大統領命令で、事実上ミグと空中戦を禁じられてしまう。かわりに彼に与えられた任務は、夜戦専門の精鋭対地攻撃部隊を編成することだった。ところが折悪しく、北ヴェトナム軍がテト攻撃を開始。休暇中だったバニスターは借り物のファントムで出撃する。
敵の攻勢は熾烈を極めた。特殊部隊のローカート中佐は、孤立した民間人を救出するため、戦闘のただなかに赴く。一方バニスターは敵の補給路を叩くため、夜間の対地攻撃作戦を開始。経験豊富なパーカー大尉の協力で、敵の強力な100ミリ高射砲を発見する。作戦を成功させるにはこれを破壊しなければならない。かくてバニスターらは、堅固な高射砲陣地に大胆な攻撃を敢行する。戦闘機乗りだけが描きえた迫真の航空小説。
エリツィンに代わりタカ派の大統領が就任したロシアは、ドニェストル地域の独立をめぐってモルドヴァとの対立が深まり、それに関連してウクライナとも緊張状態が続いていた。そして1995年初頭、領空侵犯したロシアの爆撃機隊をウクライナの戦闘機隊が撃墜する事態が発生した。ロシアは核ミサイルを発射し、ウクライナの軍事施設を破壊した。壊滅的な打撃を受けたウクライナは、臨時政府をトルコに移し、ロシアに対して宣戦布告をする。アメリカの対応は微妙だった。むやみに軍事介入し、ロシアとの核戦争を誘発してはならない。しかも大統領は、兵力削減を推進していた。かくて、数隻のフリゲートと、予備役の一個RF-111G偵察機部隊がトルコに派遣されるが湾岸戦争でいわくつきの極秘任務に携わった経歴をもつメイス中佐、アメリカ初の女性戦闘機パイロットのファーネス少佐らが、ウクライナ空軍の若き英雄トゥイチーナ大佐と共に、不利な状況下で戦闘を繰りひろげる。そして、ロシアの強硬な姿勢に、アメリカ大統領が最後に下した決断とは…。リアルな筆致で描く衝撃のシミュレーション小説。
世界各地で激しい航空戦が繰り広げられている一方で、航空技術は目覚ましい進歩を遂げていた。ハーフナーらのドイツ技術陣は革新的なジェット戦闘機Me262を開発、一挙に戦いの主導権を握ろうとする。だが生産は遅々として進まず、戦局はドイツにとって取り返しのつかないほど悪化。残されたパイロットたちは一握りのMe262で、圧倒的な連合軍爆撃機隊に絶望的な戦いを挑む。史実をもとに空の男たちの死闘を描く。
29歳のハンサムな青年クリシュナン・ヘムカー通称サニーは、LAの病院に医学実習生として勤務しているが、実は彼がアラブ系テロリストであることは誰も知らない。その彼のもとにある日、電話が入る。「ニューヨークにアパートが見つかったわ」長年待ちわびた任務遂行の日がついに来たことを悟ったサニーは、すぐさまニューヨークに向かい、次の指示を仰ぐべく新聞広告で見つけた司令塔の女性の部屋を訪れる。「7月1日に行なわれるカナダ自治記念日の祝典か、あるいは7月4日の独立記念日に自由の女神像の前で行なわれるセレモニーのどちらかで、彼を仕留めるのよ」そう言って渡された1枚の写真。そこに写っていたのは…。超高速テンポで読ませる暗殺スリラー。
アメリカは優れた航空技術と数を頼みに北ヴェトナムの空を制しようとしていた。ソ連は劣勢の北ヴェトナム空軍を支援するため、腕利きのミグ・パイロット、チェルノフ中佐を派遣。一方、アメリカで宇宙飛行士になる訓練を続けていたバニスター少佐は、横暴な将軍の策謀でふたたびヴェトナムへ戻ることに。激しさを加えるハノイ上空の戦場で、米ソの名パイロットが激突する。『ローリング・サンダー』に続く航空戦争小説。