著者 : 佐伯泰英
「参りました」惣三郎が突如、頭を下げた…。尾張の魔手から結衣を救った惣三郎と清之助は、柳生の里で近隣諸藩の志願者を集めて剣術稽古を催すことに。だがその矢先、惣三郎が一介の武芸者に負けを認めたことで、道場はざわついた。清之助は、父には父なりの考えがあると推量し、久しぶりに父子で竹刀を合わせる。汗光る夏が過ぎる中、またも結衣に忍び寄る影が!
江戸っ子に大人気のらくだの見世物。駿太郎にせがまれて、小籐次もおりょうやお夕一家とともに見物に出向いた。そのらくだが二頭、何者かに盗まれたうえに身代金を要求された!興行主に泣きつかれた小籐次はらくだ探しに奔走するが、思いがけず己の“老い”に直面する事態となる。新たな局面を迎える、好評シリーズ第6弾!
新兵衛長屋界隈で、赤目小籐次を尋ねまわる怪しい輩がいるという。小籐次ネタを他所の読売屋にかすめ取られていた空蔵は、これは大ネタに化けるかもしれないと探索を引き受けた。そして小籐次と因縁のある秩父の雷右衛門が絡んでいると調べ上げたが、そこで空蔵は行方を絶った。空蔵の身に一体なにが?好調のシリーズ第5弾!
久慈屋の大番頭、観右衛門の依頼で芝神明大宮司、西東正継を助けることになった小籐次。社殿前の賽銭箱に若い男が剣で串刺しにされ、死んでいたという。大宮司は、小籐次に思いもかけない秘密を打ち明けたー。“酔いどれ”の名が江戸市中に広まり、小籐次の身には次々に新たな難題が降りかかる。ますます快調の決定版第5作!
偉大な師米津寛兵衛の死から一年が過ぎようとしていた。惣三郎は江戸から石見道場の面々を引き連れ、鹿島で追善法要を行なうことを決めた。ところがその矢先、大岡忠相より探索の密命が下される。それは養子相続を巡る、奇怪極まりない事件だった。翻って剣術修行中の清之助は、名高い大和柳生の門を叩く。切磋琢磨する友と出会い、静かに師を弔う清之助だったが…。
御鑓拝借に始まった騒動から年が明け、文化十五年。赤目小籐次と、肥前鍋島本藩を含む四家が組織した追腹組の死闘は続いていた。それに追い打ちをかけるように、江戸の分限者たちが小籐次の首に千両の褒賞をだし、剣客を選んで順に小籐次を襲わせるという噂が流れる。事の真偽は如何に?小籐次の危難が続くシリーズ第4弾!
小金井橋の死闘で小城藩の刺客を斃した小籐次だったが、己が生涯追われる身になったと悟り、怪我を押して甲斐国へと向かった。その道中、幕閣の女密偵おしんと知り合う。小籐次は、不正の臭いのする甲府勤番を探るというおしんに同道するが、甲府では驚くべき事態が進行していた。来島水軍流の剣が冴える、シリーズ第3弾!
侮辱された主君の恥を雪ぐため、大名四家の御鑓先を強奪する騒ぎを起こした小籐次は、紙問屋久慈屋の好意で長屋に居を構え、研ぎを仕事に新たな生活を始めた。だがある日、小籐次は見知らぬ男たちに襲われる。これは先の騒動で威信を傷つけられた藩の者たちの仕業なのかー。襲い来る刺客を小籐次は迎え撃つ。シリーズ第2弾。
地廻りと呼ばれ、吉原の妓楼に上がらず素見をする一人の男の骸が切見世で見つかった。探索を始めた吉原裏同心・神守幹次郎は、下手人を川越に追う。一方、番方に女の子が生まれて沸く会所だが、突如現われた「倅」に悩む会所の七代目頭取四郎兵衛。「秘密」を打ちあけられた幹次郎は自ら動くがー。テレビドラマ原作となった人気シリーズ、待望の第二十四弾!
豊後国森藩から奉公を解かれ、浪々の身となった赤目小籐次、四十九歳。彼には胸に秘する決意があった。旧主・久留島通嘉の受けた恥辱をすすぐこと。相手は大名四藩。備中次直二尺一寸三分を手に、小籐次独りの闘いが今、幕を開ける。時代小説ファンを驚喜させた小籐次シリーズが一層の鋭さを増し、“決定版”として帰ってきた!
梅香が漂い、霊峰富士を望む小梅村が柔らかな陽射しに包まれる頃、尚武館坂崎道場では、晴れて入門を許された空也をはじめ、多くの門弟衆が稽古三昧の日々を送っていた。そんな折り、道場主坂崎磐音宛てに、遠州相良より一通の書状が届く。時を同じくして、幕閣に返り咲いた速水左近が下城の途次に磐音のもとを訪れ…。超人気書き下ろし長編時代小説第五十弾。
雲ひとつない夏空の下、穏やかな豊後水道の波を切る関前藩所蔵船豊後丸の船上に、坂崎磐音とその一家の姿があった。病に倒れた父正睦を見舞うため、十八年ぶりに関前の地を踏んだ磐音は、帰国早々国許に燻ぶる新たな内紛の火種を目の当たりにする。さらに領内で紅花栽培に心血を注ぐ奈緒の身にも…。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、“剣あり、恋あり、涙あり”の書き下ろし長編時代小説第五十一弾。平成の大ベストセラーシリーズ、ここに堂々完結!
文化二年の元日。年賀の挨拶で賑わう大黒屋の目下の話題は、信一郎とおりんの祝言の話と次の船団長の人選であった。そんな中、年賀客より武州・上州など関八州の田畑の荒廃と無宿者の増加という情報がもたらされ、重ねて「影」からは「八州探査」の指令が下った。天松、忠吉を供に上州高崎に入った総兵衛は、早速賭場に潜入する。盆茣蓙の奥には異彩を放つ異人の用心棒がいた…。
豊島屋の隠居・清蔵が金座裏に姿を見せた。「倅に十代目を継がせたいので、後見方をお願いしたい」という。一方その頃、町廻りに出ていた政次らは、加賀金沢藩御用達箔屋の岩鞍屋が店を閉じる旨の張り紙をしていることに不審を抱く。堅実な商いの大店に、一体何が起こったのか!?金座裏と北町奉行所定廻りの同心の寺坂らが、江戸の平和のために命を賭ける。大ベストセラーシリーズ、鎌倉河岸捕物控、熱望の第二十七弾。
吉原裏同心の神守幹次郎に、かつて出奔した豊後岡藩から復藩の話が舞い込む。突然の話に訝る幹次郎だったが、そんな折り、吉原に出店を持つ呉服屋の主が殺された。探索を続けるや、名門旗本の存在がちらつき、背後には吉原乗っ取りを狙う新たな企てが浮かび上げる。難問山積の幹次郎はかつてない大捕物に豪剣で立ち向かうー。超人気シリーズ、待望の第二十三弾。
近ごろ呆けの進んだ新兵衛が妙な間合いで「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えるため、みんなは困り果てていた。身延山久遠寺に詣でたことがあり、それを思い出しているらしい。どうにかしようと、孫のお夕の付き添いで小籐次はおりょう、駿太郎とともに代参の旅に出るが、一行を何者かが待ち受けていた。好調シリーズ第3弾!
天明八年七月、小梅村では坂崎磐音の嫡男空也が木刀を手に、独り黙々と稽古に励む日々が続いていた。そんな折り、尚武館道場を訪れた速水左近の口から思いもよらぬことを告げられた盤音は、その知らせに驚愕し言葉を失う。やがてその磐音のもとに、小梅村から姿を消していた弥助から文が届き…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十九弾。
新栄橋完成に沸く大黒屋に、深浦の船隠しを監視する眼を報告してきたのはおこも姿の忠吉だった。監視小屋には、オロシャと思われる文字が記された絵図面、貨幣等が残されていた。多くの証拠を残したことに総兵衛は疑念を募らせる。一方、幕府鉄砲玉薬奉行配下が大黒屋周辺を嗅ぎ回る。正介の秘密に感づいたのか。折から信一郎率いる交易船団が一年弱の航海を終え戻ってきたが…。
師走も半ば、金座裏では総出で大掃除を終えた後、差し入れの河豚料理に、皆で舌鼓をうっていた。その席で、八百亀は定廻り同心・寺坂毅一郎についての八丁堀での“うわさ話”を持ち出すが…。金座裏にとって家族同然の寺坂に降りかかる難儀、そしてついに殺人事件が起きる。政次たちが、「北町奉行所」にはびこる悪と戦う、大人気書き下ろしシリーズ、待望の第二十六弾!